3-26 中国地誌

1.人口

人口は14億1500万人(2018)と人口は世界最大。人口の92%は漢民族で56の民族がいる。

1949年 中華人民共和国成立 … 人口5.5憶人、人口増加政策「多子多福」

  • 社会主義国家建設と戦争終結により男尊女卑・旧華族制度から解放され、結婚ブーム

1970年代末 死亡率は低下、人口は10億人にせまる。 → 1979年から(1      )

  • 子どもが一人の家庭には保育・医療などで優遇措置(少数民族には適用しない)

一人っ子政策の問題点

  • (2      )… 子どもが親や祖父母に甘やかされて育つ
  • (3      )… 高度な教育と学歴が高収入をもたらすと考え、受験戦争激化
  • (4      )… 戸籍に登録されない人口の増加、【黒孩子】
  • 将来の高齢化 … 出生率の低下、過度な高齢化の不安 → 2016年より2人目を認める

民工潮

  • 都市と農民の所得格差 → 農村人口が都市に流入(都市戸籍と農村戸籍を分けて防ごうとする)

(5     )の解体、農村では雇用がない、交通・情報の未発達

→ (6      )=都市への出稼ぎ労働者が潮のように押し寄せてくること

少数民族

中国は50以上の民族からなる多民族国家。漢民族に次いで多いのは(7      )=壮族、コワンシーチョワン(広西壮)族自治区で自治が認められている。漢民族とともに一人っ子政策が行われた。

自治区を形成していない5民族で一番多いのは満州族。人口は1038万人で、ほとんどはリヤオニン(遼寧)省に住んでいる。

現在問題になっているのは、チベット自治区と新疆ウイグル自治区

 チベットはもともとは独立国でした。チベット宗教の指導者ダライ=ラマが政教両県を握っていました。しかし、中華人民共和国が占領し中国の一部になりました。その時にダライ=ラマ14世はインドに亡命し今に至ります。

 チベットでは文化等の漢化政策がすすめられています。それによって経済発展した一面ももちろんあります。しかし、チベットでは1989年(天安門事件と同じ年)、2008年(北京オリンピックと同じ年)に暴動が起こるなど、現在でも問題を抱えているのは事実です。

 新疆ウイグル自治区はウイグル族など少数民族が多数居住し、ムスリムが多い地域です。中華人民共和国が占領しその後自治区になりました。徐々に漢民族が増え、現在では住民の4割が漢民族です。もちろん、それによって経済発展した一面はありますが、一方で高等教育で少数民族の言語の使用が禁止されるなど文化面での弾圧が行われているといわれます。また、ムスリムに対する弾圧なども行われているようです。1989年には暴動がおこりましたが、鎮圧され多くのウイグル族住民が行方不明になりました。現在でも強制収容が行われ、そこではムスリムに対して豚肉食の強要、女性に対する性的暴行などが行われているといわれています。

 新疆ウイグル自治区に工場がある多くの世界的企業の製品には強制労働によって利益を得ているという疑惑があり、不買運動なども起こっています。

2.行政区分

日本の25倍の国土(世界第4位)を4つの段階で区分け

① 中華人民共和国

国家、日本は中華人民共和国政府を承認、台湾は中華人民共和国の一部という立場。世界では17か国(2019年)が台湾を国家(中華民国)と承認し、そのすべてが中華人民共和国を国家として承認していない。 = 一つの中国の原則

② 省級

23の省(台湾を含む)、4の直轄市、特別行政区が2、自治区が5ある。最上位の行政区分。

③ 地級

地区、地級市、自治州

④ 県級

県、県級市、市轄市、自治県

⑤ 郷級

郷、鎮、県轄市

(8      )

中国は社会主義国家であるが、1997年に(9      )がイギリスから、1999年(10      )がポルトガルから返還された際、50年間は資本主義の仕組みを継続させ、通貨の使用を従来通り認めるとした。

ホンコン … 広範囲にわたって自治権を持っている。GDPの90%以上がサービス業。現在ではロンドンやニューヨークと並ぶ世界の金融センターとなっている。

マカオ … GDPの50%以上を観光業とカジノが占めている。カジノ収入はラスベガスの4倍を記録し、世界最大

3.地形と川

中国の国土は南北に5500㎞(緯度にして50°余)東西に5200㎞(経度にして60°、東経75~135°)に広がる。隣接国は14か国。ハイナン(海南)島など複数の島も領有。

東経120°(北京)が標準時。

東部の沿岸部には大規模な沖積平野が展開しており、人口の60%近くが東部に居住。大都市もほとんどがここ。

西部は高地と乾燥帯でとなっている。

西部と東部は大シンアンリン(大興安嶺)山脈とタイハン(太行)山脈を結ぶライン=標高500mの等高線とほぼ一致で別れる。

川は西から東に流れるのが基本。黄河、長江、チュー川(珠江)の河口部は大規模な三角州が発展。

黄河の下流域では河口まで水が流れない(11      )が発生。

← ペキンやテンチンのように人口の多い都市が発達し、大規模な工業・農業用水の取水が原因

長江流域では洪水が多発。(12      )=三峡ダムなどを建設。「防洪抗旱」

But 必要な貯水量が得られない、手抜き工事などで思うような結果が得られない

南調北水」… 南部の水を北部に流そうというプロジェクト。問題が発生する恐れもある

4.気候

中国は大陸の東岸にある → 年較差大

モンスーンの影響 → 降水の型は「w」

北緯40°を目安に高緯度側は「Dw」

低緯度側は「Cw」

(Dwは中国東北部からシベリアにしかない)

南東部はCfaが展開、内陸部は乾燥(BW,BS)

西部の高山地帯はET(Hと表記することもある)が展開している。

5.農業

① 中国西部

標高(13      )m以上の高山地帯では(14      )、羊などの放牧。年降水量(15      )㎜未満の半乾燥地帯では馬や羊の遊牧

② 中国北東部

Dw気候で冷涼乾燥に強い大豆や(16      )、コウリャンの単作

③ 中国中東部

Dw気候でやや温暖湿潤なので(17      )やコウリャン、アワの栽培

④ 中国中部

内陸がCw、沿岸はCfa気候で温暖で年降水量は800㎜を越える。チンリン=ホワイラインの南部でコメと冬小麦の二毛作のほか、都市近郊では野菜などの近郊農業や輸出向け商業生産

⑤ 中国南部~台湾

Cw気候、年降水量(18      )㎜以上の地域ではコメの二期作、丘陵地では茶を栽培。サトウキビやバナナの栽培もみられる。

  • 現在、コメや小麦、茶の生産量は中国が世界一

農業政策の変化

1950年代~ (19      )… 農業の集団化

But 非効率的でうまくいかない

1978~ (20      )… 農家に生産を任せ、余剰生産物は私有・販売を許可

結果

万元戸」「億元戸」の出現、特に内陸部と沿岸部で貧富の差が拡大

料理

中国では農業等の違いにより各地に特色ある料理が発展している。特に北京・広東・上海・四川料理が有名

① 北京料理

明清時代には首都であったことから宮廷料理をルーツとするものが有名。畑作地帯であるため、麦から作ったものが有名。例えば麺類、マントウなどである。また、魚よりも肉料理が有名。北京ダックもここにあたる。

② 上海料理

長江流域が穀倉地帯であったことから米を使った料理が有名。また、魚介類も使われる。小籠包や上海ガニが有名。

③ 四川料理

長江上流の内陸・盆地で発達した料理。川魚やトウガラシなどの香辛料を多用し、日本では辛い料理というイメージがある。麻婆豆腐や担々麺などが有名。茶の原産地でもあり、伝統的な飲茶がみられる。

④ 広東料理

貿易がさかんだった土地柄から様々なものを食べる。「四本足のものは机以外、空を飛ぶものは飛行機以外何でも食べる」といわれるほど。飲茶(ヤムチャ)やふかひれスープなどが有名。

工業

1949年の中華人民共和国建国後、中国は計画経済を取っていた。しかし、生産性は上がらず、経済は発展しなかった。

1980年代、鄧小平(ドン・シャオピン)による改革開放政策が始まると状況は一変した。経済特区(アモイシェンチェンスワトウチューナンハイナン島)を設置し、外国から資本と技術を導入した。ここから経済成長が始まった。農村では自治体が設置した企業である郷鎮企業があらわれた。こうして、現在は「世界の工場」と呼ばれるようになった。GDPは日本を抜き世界第2位である。なお、外国企業が中国に進出するには中国資本と共同で設立する合弁企業である必要がある。

しかし、格差は大きなものがあり、中国の大きな社会問題の一つである。

工業がさかんな都市は沿岸部に集中している。一方、西部は地下資源が豊富で、西部大開発が行われている。「西気東輸」は西部で産出する天然ガスを東部に輸送しようとするもので、「西電東送」「南水北調」「西蔵鉄道」とならぶ国家プロジェクトといえる。

コメント