1・2
まず、赤道の位置を意識しましょう。この地域に熱帯はあるはずがない。緯度が九州とほぼ同じという点でもわかります。引っ掛かりやすいのはET。寒帯気候はなさそうですが、チベット高原がETです。センター試験の時代からチベット高原・モンゴル高原は頻出です。位置も含めてみてわかるようにしましょう。Csは北緯30~40度の大陸西岸にあります。
3
サンゴ礁の分布です。アは裾礁、イは環礁、ウは堡礁です。まず、C。グレートバリアリーフのあるあたりです。グレートバリアリーフは別名「大堡礁」。よって、Cはウ。次に日本。日本には環礁は見られません。日本のことは覚えておくといいと思います。残ったAは環礁。モルディブに分布しています。
4
砂漠のでき方の問題。
Pは正しい。海岸砂漠であり、沖に還流があるところにできます。南アメリカ大陸でペルー海流が作り出すアタカマ砂漠、アフリカ大陸でベンゲラ海流が作り出すナミブ砂漠が有名です。
Qは誤り。ここには貿易風(東風)でなく偏西風が吹いている。そのため、Q地点は山を吹き下ろす乾いた風が吹き込むため砂漠になる。これを雨陰砂漠といいます。Q地点はパタゴニア。
5
解くためのテクニックとしては、Zのミシシッピ川の流水量の特色を覚えてしまうとよい。ミシシッピ川は3~5月に流水量が増える。この問題は2019年 地理B 本試験 第1問 問3 を理解していればできる。共通試験対策としてはセンター試験も含めて過去問研究をよくやっておくこと。また「川の流量」という言葉は19・20・21年と3年連続で出題されている。
6
キ 扇状地は三角州より上流にできる。よって、土砂の粒は大きくなるはずである。だから、水はけがよくなる。三角州は土砂の粒が小さいので水持ちがよくなる。カとクは正しい。ハザードマップなどは近年非常によく見られるので、理解すること。
7
① 東北地方太平洋側は夏に北東の季節風が吹き込む。これをやませといい、親潮によって冷やされて例外を起こします。
② 正しい
③ フェーンは山から吹き下ろしてくる風。ということは雨が少なくなるのでこのせいで日照時間は短くなりません。
④ これは、図4と内容が異なる。日照時間は短くなっています。
事実関係が違うものと、図の内容と相違するもの、2つのパターンがあるので気を付けてください。
8
トウモロコシと小麦の世界生産量はかつては同じくらいであったが、近年はトウモロコシのほうが多くなっている。原因は家畜の飼料にするためである。(バイオエタノールの原料というのもある)したがって、Aはトウモロコシ、Bが小麦。
次に、テクニックのようなものになるかもしれないが、急激に生産量が伸びているとあったら、アジアを疑う。これは経済発展(中国やインド)を考えればわかりやすい。したがって、アジアはイとなる。ウはトウモロコシで圧倒的に多いのでアメリカ、アは小麦で以前より量が多いのでヨーロッパとなる。
9
まず、日本を考える。日本に印がついているのはキだけ。当然輸入となる。次に、中国を見る。中国は近年の経済発展により消費量が増大している(大豆も資料となる)。輸出する余裕はないはずなので、生産はク、輸出はカ。遺伝子組み換え作物で大豆が話題になるのも需要が急増しているからである。
10
タイと中国はアジア式農業を行っている。特色は集約的であり、一人当たりの農地面積小さくなる。ここから①か②であることがわかる。中国は輸出することは厳しいはずなので自給率が高い①がタイになる。③と④でも、フランスのほうが輸出することができる国なので④がフランス。
11
サがどのような場所か考える。アラビア半島ということは産油国で砂漠が広がっているところであろう。ここから、③センターピボットであることがわかる。エジプトでもそうだが、砂漠地帯ではセンターピボットの利用がさかんなので覚えておくとよい(もちろん、経済力は必要)。間違えやすいのは②だが、カナートというのはイランでの呼び方。ということはシになる。下のGoogle mapはサウジアラビアのもの。航空写真で見ると、センターピボットがあるのがわかる。現在サウジアラビアは小麦輸出国になっている。
12
日本の食糧自給率は40%を切っている。これは世界的には低い水準。ということは当然輸入のほうが多くなるはず。タが輸入でチが輸出とわかる。
Yの前の行に食料品とあることから、水産物は林産物より多くなるということがわかる。林産物はa。
13
③ アンチョビ(かたくちいわし)は養殖されない。養殖されているのはサケ。
14
簡単なものから判断する。イは出生率が高くGNIは低いのでアフリカ。アとウではアのほうがGNIが高い。東南アジアでシンガポールがGNIが高くなっているが、シンガポールは人口でベスト10にはいらない。東南アジアは人口が多いところがGNIが低い傾向があるのでウは南・東南アジア。アはブラジルが人口もGNIも高いので、中・南アメリカに当てはまると考える。
この問題では、それぞれの地域の「人口が多い10か国」のデータである点に注意する。このような部分の読み落としで失点するのはつまらない。※この解説中のGNIは「一人当たりGNI」のことです。
15・16
Aは都市人口が低いとあるので、発展途上国である。当てはまるのはエチオピアとコロンビア。
Bは都市人口割合も総人口に占める最大都市人口割合が高いとあるので、先進国である。当てはまるのはアメリカとドイツ
Cは都市人口割合が高いが、最大都市人口割合は低いとある。これが南アメリカの特色。南アメリカ大陸は白人入植者が都市をつくり、そこを中心に発達してきた。
都市人口割合・最大都市人口割合も頻出。中国の最大都市人口割合は低い、韓国は20%にもなることに注意。また、カナダやオーストラリア、中国は首都が人口最大都市でない点も気を付ける。
17
都市の模式図もたまに見られる。まず、クのように迷路のようになっているのはイスラーム圏のバザール。カの直行型(碁盤の目状の都市)は北京、西安、京都、奈良、札幌などが有名。キの放射状都市はワシントンDCなどが有名
18
aは正しい。五大湖周辺の都市を確認する。bは間違い。イタリアは新期造山帯であることを考えても、石炭が取れるとは考えずらい。タラントでは輸入した石炭で鉄鋼業を行っている。
19
ス 条里制都市は奈良時代の都市。サ背後に短冊状の耕地がある、また、新田という言葉から江戸時代に成立したことがわかる。シは明治時代の屯田兵村。どれも地形図とともに出題されたこともある。
20
在日外国人居住者についてもよくみられる出題。イメージとして、中国人 = 留学、フィリピン人 = 芸能・スポーツ、ブラジル人 = 製造業というイメージで考える。Xは外国人人口が多いので、自動車工業がさかんなところ。家族で移住することもあるので年少者人口も多い。農村は人口減少地域。大都市のベッドタウンは人口増加地域。
21
大地形の分布から考える。ア・イは環太平洋造山帯にある。ということは標高が高い可能性が高い。エは古期造山帯であるアパラチア山脈がある。ということは、標高の低い山脈がある。ウは安定陸塊・準平原がある。よって、ウが正解。
22
Aはシアトル。スターバックスやマイクロソフトなどの本社がある。③の文章がこれに当てはまる。
Bはシウダーファレス。地図を見ればわかる通りメキシコにある。ということは人件費が安くアメリカに輸出するものを作っている。④の文章がこれに当てはまる。
Cはヒューストン。メキシコ湾岸では石油も取れ、航空機や宇宙開発をしている。③の文章がこれに当てはまる。
Dはトロント。カナダの都市であり、カナダ最大の都市。金融・経済の中心都市でもある。①の文章がこれに当てはまる。
23
まず、K~Mを確定させる。Lはブラジルが2位にあるので鉄鉱石。主に安定陸塊で産出する。Mはチリ・ペルーがあるので銅鉱。主に新期造山帯で産出する。Kが石炭。主に古期造山帯で産出する(石炭は植物の化石なので、地面が古いほうが有利)。
次にカ~クを確定させる。クがアパラチア山脈なので古期造山帯。つまり、石炭。キが環太平洋造山帯にあたるので鉄鉱石。カは安定陸塊にあたるので鉄鉱石。
共通試験では地名などの知識は必要ないが、統計については確実に得点したい。この問題の表などは絶対に間違えないようにしてほしい。
24
アメリカは西経100度の経線を境に、西は降水量500㎜未満、東は500㎜以上となっている。網掛けしてある州は西側に偏っているのでPは正しい。また、Qは知識として知っておいてほしい。Rについては、人口密度が高いのは東海岸であるので誤り。
Pが正しいということは、sも正しい。また、黒色土の地域は小麦の栽培がさかんになる。uは誤り。フィードロッドは肉牛などの畜産に使う施設。
土壌の色については、共通試験では絶対に必要な知識。
25
アメリカ合衆国は東部13州がイギリスから独立して成立した。つまり、当初人口が多いのは北東部。今でも巨大都市が並んでいる。そこから西に向かって発展していった歴史がある。
北東部は以前からの工業が多い。つまり重厚長大産業である。個々の人口が減っているのは重厚長大産業が衰退したから。南部メキシコ湾岸は石油が採れるようになって発展した。ここは航空産業や宇宙開発がさかんで、南米に近いため移民を労働力として採用したいる。
一方、西部は1848年のゴールドラッシュから人口が急増している。1869年には大陸横断鉄道も完成し、一気に発展が進み、さらにIT化の進展により近年も発展している。
世界の交通に関して、明治時代が始まったころ(1868年)というのは重要な時代。1869年にアメリカで初の大陸横断鉄道が完成し、同年スエズ運河も開通している。日本で初めて鉄道が開業したのは1872年。
26
それまでのNAFTAが2020年にトランプ大統領の方針によってUSMCAになった。この際、トランプ大統領が問題にしたのはアメリカの産業(雇用)を守ること。よって、③は誤り。アメリカではメキシコ系の不法移民が大きな問題になっている。また、④も誤り。アメリカではアメリカ内での部品調達率を上げようとしている。域内分業体制で有名なのはEUの航空機。
①USMCAとEUは域内の人口は同程度。しかし、EUのほうがヒト・モノ・カネの移動が自由であり、また加盟国も多い。よって、貿易額はEUのほうが多くなるので誤り。
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