2021年のノーベル化学賞はアメリカ・プリンストン大学の真鍋敏郎さんに授与されることが発表されました。
真鍋さんは愛媛県出身の90歳です。東京大学の博士課程修了後、アメリカの海洋大気局で研究を行い、コンピューターによる機構の趣味レーションモデルを開発しました。ここで、1967年には大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、気温も上昇することを発見し、二酸化炭素濃度の増加と地球温暖化の関係を世界に先駆けて発見しました。現在はアメリカの国籍を取得し、1997年に一時日本に帰国して研究を続けていましたが、現在は再びアメリカに戻って、2001年からはプリンストン大学で客員研究員を務めています。
ノーベル賞の授賞式はスウェーデンで行われます。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、受賞者が住んでいる国で行われることになりました。アメリカ・ワシントンDCで行われた式典では笑顔でノーベル賞のメダルと賞状を受け取っていました。
「研究を楽しんできた人生でしたが、若い人たちも自分たちが得意なことや楽しめるテーマを見つけて、素晴らしい時間を過ごしてほしい。」というメッセージを若い世代の研究者に送りました。
ノーベル賞
アルフレッド・ノーベル(スウェーデン)はダイナマイトの発明者として知られています。彼は莫大な財産を遺しましたが、その遺産をつかって運営されているのがノーベル賞です。ノーベルの発明は平和なことにも使われましたが、戦争などにも使用されました。それを悲しんだノーベルがこのような賞を思いついたのでしょう。
ノーベル賞は物理学・生理学・医学・化学・文学・平和の6部門からなります。経済学賞もありますが、厳密にはノーベル賞と別の団体が運営しています。
授賞式はスウェーデンで行われます。日本人は今まで経済学賞以外すべての賞を受賞しています。
主な日本とゆかりの深いノーベル賞受賞者
京都帝国大学(現・京都大学)理学部卒。中性子の存在を予言し、日本人初のノーベル賞受賞者となった。
京都帝国大学(現・京都大学)理学部卒。漁師電気力学分野の研究が認められてノーベル賞を受賞。
代表作は『伊豆の踊子』『雪国』『抒情歌』など。日本人初のノーベル文学賞を受賞。
東京帝国大学(現・東京大学)理学部卒。半導体におけるトンネル効果を発見。エサキダイオードを開発。
内閣総理大臣として、非核三原則を定める。日本人唯一のノーベル平和賞受賞者。
化学反応過程の理論的研究で、アジア人として初めてノーベル化学賞を受賞。
京都大学理学部卒。抗体を生成する遺伝的原理を研究。日本人で初めてノーベル生理学・医学賞を受賞。
現代日本文学を代表する小説家。現実と神話が混合する世界を想像し、窮地にある現代人の姿を見る者を当惑させるように描いたとしてノーベル文学賞を受賞した。
長崎県出身の日系イギリス人。1960年に家族で渡英した。1989年、長編小説『日の名残り(The Remains of the Day)』で世界的に権威のある文学賞であるブッカー賞を受賞。2017年にノーベル文学賞を受賞した。
京都大学医学部卒。免疫チェックポイント阻害因子を発見とがん治療への応用により、ノーベル生理学・医学賞を受賞した。新しいがん治療薬「オプジーボ」の開発にも貢献。
京都大学工学部卒。1981年、アジア初のノーベル化学賞を受賞した福井謙一を師と仰いでいた。スマートフォンや電気自動車などの利用に広がるリチウムイオン電池を開発し、ワイヤレスで化石燃料のない社会の基盤を築いたことが評価され、ノーベル化学賞を受賞した。
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