2024年は世界中で59の武力紛争が記録され、冷戦終結以降で最も暴力的な年の一つとなりました。これらの紛争により、多くの民間人が犠牲となり、大規模な避難を余儀なくされています。また、原油などエネルギー価格の上昇など世界経済に対する影響も小さくありません。
主な紛争地域と状況は以下の通りです。
ウクライナ紛争
ロシアによるウクライナ侵攻は3年目に入りました。
2024年の主な展開
ロシア軍は東部ドネツク地方で徐々に前進し、ウクライナ軍に圧力をかけ続けました。
ウクライナ軍は8月にロシア領内のクルスク地方に侵攻し、一時的に1,200平方キロメートルを制圧しました。
米国が4月に610億ドルの軍事支援パッケージを可決し、ウクライナ軍に新たな装備が供給されました。
戦闘は激しさを増し、10月にはロシア軍の死傷者が1日1,500人を超える日もありました。
ガザ紛争
2023年10月7日のハマスによるイスラエル襲撃を機に、イスラエルとハマスの間で激しい戦闘が続いています。●●●戦争が始まったのは1973年の10月6日でした。それから50年と1日という日にハマスがイスラエルを奇襲し、それに対する報復としてイスラエルがガザ地区に侵攻しました。この紛争は現在も続いています。
2024年10月時点で、ガザでの死者は41,802人に達しました。イスラエル軍は5月にガザ地区のラファを攻撃し、エジプトとの国境を制圧しました。
国連安全保障理事会は3月に即時停戦を要求する決議を採択しましたが、戦闘は続いています。
ガザの住宅の半分以上が破壊され、230万人のほぼ全住民が避難を強いられました。

ウクライナの位置

イスラエルの位置
その他の主な紛争地域
スーダン
軍と準軍事組織RSFの戦闘により、1,800万人以上が死亡し、3,300万人以上が負傷しました。
エチオピア
アムハラ地方とオロミヤ地方で高強度の紛争が続いています。
ミャンマー
軍事政権と抵抗勢力の戦闘が3年目に入り、民間人への攻撃が続いています。
コンゴ民主共和国
東部での反政府勢力M23の攻勢により、2,540万人が人道支援を必要としています。
イエメン
国内情勢は緊迫しており、紅海での緊張激化が和平プロセスを脅かしています。
ロヒンギャ族
●●●における少数民族、ロヒンギャに対する弾圧は現在も続いています。
ロヒンギャとはミャンマー西部に住むイスラーム教徒です。少数民族であり、ミャンマー政府は隣国バングラデシュからの不法移民と位置付けています。そのため、人口も正確にはわからず、ミャンマー国内に60~80万人いるとされています。
ミャンマー国内の多民族との衝突もありますが、近年は国軍からも攻撃を受けています。そのため、2024年にはロヒンギャが2500人以上死亡したとされています。
また難民となるロヒンギャも多く、バングラデシュには4万人以上が避難しており、今年だけでも7千人を超えるロヒンギャがバングラデシュに避難したとみられています。
国際社会の動き
国際社会の動きの一例としてICJ(国際司法裁判所)やICC(国際刑事裁判所)の動きを見てみます。
国際司法裁判所はオランダのハーグにある国際連盟の重要な機関の一つです。ICJはミャンマー政府に対してロヒンギャへのジェノサイド(虐殺)を中止するように勧告しています。
また、ICCはミャンマー軍司令官に対し人道に対する罪で逮捕状を請求しています。また、ロシアのプーチン大統領に対しても逮捕状を発行しました。特にプーチン大統領を逮捕することができるのかは別の問題ですが、プーチン大統領は国外の移動について大きな制約を受けることになりました。
国際社会が協力して紛争や少数民族に対する弾圧をなくしていくことが求められています。
NATO(北大西洋条約機構)の拡大
NATOとは、ヨーロッパ諸国とアメリカ合衆国が共同して軍事的脅威に対抗するための同盟です。NATO加盟国の1カ国が攻撃されると、全NATO加盟国は自国への攻撃とみなし、協力して軍事的に対抗することになっています。
もちろん、世界最大の軍事同盟です。
ロシアのウクライナ侵攻はヨーロッパ各国があらためてロシアを脅威だと認識し、防衛のための同盟であるNATOを強化・拡大させることとなりました。2023年から2024年にかけて2つの北欧諸国が加盟し、NATOの加盟国数は32カ国に増加しました。
新規加盟国
- ●●●:2023年4月4日に加盟
- ●●●:2024年3月7日に加盟
拡大の背景
ロシアのウクライナ侵攻
2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻が、両国のNATO加盟申請の直接的な契機となりました。
安全保障の強化
フィンランドとスウェーデンは、長年の中立政策を放棄し、NATOの集団防衛協定による安全保障の利点を求めました。
地政学的影響
フィンランドの加盟により、NATOとロシアの国境線が約1,340km延長されました。
加盟プロセス
加盟申請
両国は2022年5月にNATO加盟を正式に申請しました。
批准プロセス
全加盟国の承認が必要でしたが、トルコとハンガリーが特にスウェーデンの加盟に対して懸念を示し、批准を遅らせました。
2024年初頭に両国がスウェーデンの加盟を承認し、最終的な加盟が実現しました。
米国の支持
バイデン政権と議会の多数が、両国のNATO加盟を支持しました。
この拡大により、NATOの北部地域の安全保障が強化され、バルト海諸国の防衛がより容易になったと評価されています。一方で、ロシアはこの拡大を脅威と見なし、対抗措置を示唆していますが、プーチン大統領は公式には脅威ではないと述べています。

コメント