2022 駿台 共通テスト 実践問題パック5 

1・2

まず、赤道の位置を意識しましょう。この地域に熱帯はあるはずがない。緯度が九州とほぼ同じという点でもわかります。引っ掛かりやすいのはET。寒帯気候はなさそうですが、チベット高原がETです。センター試験の時代からチベット高原・モンゴル高原は頻出です。位置も含めてみてわかるようにしましょう。Csは北緯30~40度の大陸西岸にあります。

実際の問題で出題された図

サンゴ礁の分布です。アは裾礁、イは環礁、ウは堡礁です。まず、C。グレートバリアリーフのあるあたりです。グレートバリアリーフは別名「大堡礁」。よって、Cはウ。次に日本。日本には環礁は見られません。日本のことは覚えておくといいと思います。残ったAは環礁。モルディブに分布しています。

砂漠のでき方の問題。

Pは正しい。海岸砂漠であり、沖に還流があるところにできます。南アメリカ大陸でペルー海流が作り出すアタカマ砂漠、アフリカ大陸でベンゲラ海流が作り出すナミブ砂漠が有名です。

Qは誤り。ここには貿易風(東風)でなく偏西風が吹いている。そのため、Q地点は山を吹き下ろす乾いた風が吹き込むため砂漠になる。これを雨陰砂漠といいます。Q地点はパタゴニア。

解くためのテクニックとしては、Zのミシシッピ川の流水量の特色を覚えてしまうとよい。ミシシッピ川は3~5月に流水量が増える。この問題は2019年 地理B 本試験 第1問 問3 を理解していればできる。共通試験対策としてはセンター試験も含めて過去問研究をよくやっておくこと。また「川の流量」という言葉は19・20・21年と3年連続で出題されている。

6 

キ 扇状地は三角州より上流にできる。よって、土砂の粒は大きくなるはずである。だから、水はけがよくなる。三角州は土砂の粒が小さいので水持ちがよくなる。カとクは正しい。ハザードマップなどは近年非常によく見られるので、理解すること。

① 東北地方太平洋側は夏に北東の季節風が吹き込む。これをやませといい、親潮によって冷やされて例外を起こします。

② 正しい

③ フェーンは山から吹き下ろしてくる風。ということは雨が少なくなるのでこのせいで日照時間は短くなりません。

④ これは、図4と内容が異なる。日照時間は短くなっています。

事実関係が違うものと、図の内容と相違するもの、2つのパターンがあるので気を付けてください。

トウモロコシと小麦の世界生産量はかつては同じくらいであったが、近年はトウモロコシのほうが多くなっている。原因は家畜の飼料にするためである。(バイオエタノールの原料というのもある)したがって、Aはトウモロコシ、Bが小麦。

次に、テクニックのようなものになるかもしれないが、急激に生産量が伸びているとあったら、アジアを疑う。これは経済発展(中国やインド)を考えればわかりやすい。したがって、アジアはイとなる。ウはトウモロコシで圧倒的に多いのでアメリカ、アは小麦で以前より量が多いのでヨーロッパとなる。

まず、日本を考える。日本に印がついているのはキだけ。当然輸入となる。次に、中国を見る。中国は近年の経済発展により消費量が増大している(大豆も資料となる)。輸出する余裕はないはずなので、生産はク、輸出はカ。遺伝子組み換え作物で大豆が話題になるのも需要が急増しているからである。

10

タイと中国はアジア式農業を行っている。特色は集約的であり、一人当たりの農地面積小さくなる。ここから①か②であることがわかる。中国は輸出することは厳しいはずなので自給率が高い①がタイになる。③と④でも、フランスのほうが輸出することができる国なので④がフランス。

11

サがどのような場所か考える。アラビア半島ということは産油国で砂漠が広がっているところであろう。ここから、③センターピボットであることがわかる。エジプトでもそうだが、砂漠地帯ではセンターピボットの利用がさかんなので覚えておくとよい(もちろん、経済力は必要)。間違えやすいのは②だが、カナートというのはイランでの呼び方。ということはシになる。下のGoogle mapはサウジアラビアのもの。航空写真で見ると、センターピボットがあるのがわかる。現在サウジアラビアは小麦輸出国になっている。

12

日本の食糧自給率は40%を切っている。これは世界的には低い水準。ということは当然輸入のほうが多くなるはず。タが輸入でチが輸出とわかる。

Yの前の行に食料品とあることから、水産物は林産物より多くなるということがわかる。林産物はa。

13

③ アンチョビ(かたくちいわし)は養殖されない。養殖されているのはサケ。

14

簡単なものから判断する。イは出生率が高くGNIは低いのでアフリカ。アとウではアのほうがGNIが高い。東南アジアでシンガポールがGNIが高くなっているが、シンガポールは人口でベスト10にはいらない。東南アジアは人口が多いところがGNIが低い傾向があるのでウは南・東南アジア。アはブラジルが人口もGNIも高いので、中・南アメリカに当てはまると考える。

この問題では、それぞれの地域の「人口が多い10か国」のデータである点に注意する。このような部分の読み落としで失点するのはつまらない。※この解説中のGNIは「一人当たりGNI」のことです。

15・16

Aは都市人口が低いとあるので、発展途上国である。当てはまるのはエチオピアとコロンビア。

Bは都市人口割合も総人口に占める最大都市人口割合が高いとあるので、先進国である。当てはまるのはアメリカとドイツ

Cは都市人口割合が高いが、最大都市人口割合は低いとある。これが南アメリカの特色。南アメリカ大陸は白人入植者が都市をつくり、そこを中心に発達してきた。

都市人口割合・最大都市人口割合も頻出。中国の最大都市人口割合は低い、韓国は20%にもなることに注意。また、カナダやオーストラリア、中国は首都が人口最大都市でない点も気を付ける。

17

都市の模式図もたまに見られる。まず、クのように迷路のようになっているのはイスラーム圏のバザール。カの直行型(碁盤の目状の都市)は北京、西安、京都、奈良、札幌などが有名。キの放射状都市はワシントンDCなどが有名

18

aは正しい。五大湖周辺の都市を確認する。bは間違い。イタリアは新期造山帯であることを考えても、石炭が取れるとは考えずらい。タラントでは輸入した石炭で鉄鋼業を行っている。

19

ス 条里制都市は奈良時代の都市。サ背後に短冊状の耕地がある、また、新田という言葉から江戸時代に成立したことがわかる。シは明治時代の屯田兵村。どれも地形図とともに出題されたこともある。

20

在日外国人居住者についてもよくみられる出題。イメージとして、中国人 = 留学、フィリピン人 = 芸能・スポーツ、ブラジル人 = 製造業というイメージで考える。Xは外国人人口が多いので、自動車工業がさかんなところ。家族で移住することもあるので年少者人口も多い。農村は人口減少地域。大都市のベッドタウンは人口増加地域。

21

大地形の分布から考える。ア・イは環太平洋造山帯にある。ということは標高が高い可能性が高い。エは古期造山帯であるアパラチア山脈がある。ということは、標高の低い山脈がある。ウは安定陸塊・準平原がある。よって、ウが正解。

22

Aはシアトル。スターバックスやマイクロソフトなどの本社がある。③の文章がこれに当てはまる。

Bはシウダーファレス。地図を見ればわかる通りメキシコにある。ということは人件費が安くアメリカに輸出するものを作っている。④の文章がこれに当てはまる。

Cはヒューストン。メキシコ湾岸では石油も取れ、航空機や宇宙開発をしている。③の文章がこれに当てはまる。

Dはトロント。カナダの都市であり、カナダ最大の都市。金融・経済の中心都市でもある。①の文章がこれに当てはまる。

23

まず、K~Mを確定させる。Lはブラジルが2位にあるので鉄鉱石。主に安定陸塊で産出する。Mはチリ・ペルーがあるので銅鉱。主に新期造山帯で産出する。Kが石炭。主に古期造山帯で産出する(石炭は植物の化石なので、地面が古いほうが有利)。

次にカ~クを確定させる。クがアパラチア山脈なので古期造山帯。つまり、石炭。キが環太平洋造山帯にあたるので鉄鉱石。カは安定陸塊にあたるので鉄鉱石。

共通試験では地名などの知識は必要ないが、統計については確実に得点したい。この問題の表などは絶対に間違えないようにしてほしい。

24

アメリカは西経100度の経線を境に、西は降水量500㎜未満、東は500㎜以上となっている。網掛けしてある州は西側に偏っているのでPは正しい。また、Qは知識として知っておいてほしい。Rについては、人口密度が高いのは東海岸であるので誤り。

Pが正しいということは、sも正しい。また、黒色土の地域は小麦の栽培がさかんになる。uは誤り。フィードロッドは肉牛などの畜産に使う施設。

土壌の色については、共通試験では絶対に必要な知識。

25

アメリカ合衆国は東部13州がイギリスから独立して成立した。つまり、当初人口が多いのは北東部。今でも巨大都市が並んでいる。そこから西に向かって発展していった歴史がある。

北東部は以前からの工業が多い。つまり重厚長大産業である。個々の人口が減っているのは重厚長大産業が衰退したから。南部メキシコ湾岸は石油が採れるようになって発展した。ここは航空産業や宇宙開発がさかんで、南米に近いため移民を労働力として採用したいる。

一方、西部は1848年のゴールドラッシュから人口が急増している。1869年には大陸横断鉄道も完成し、一気に発展が進み、さらにIT化の進展により近年も発展している。

世界の交通に関して、明治時代が始まったころ(1868年)というのは重要な時代。1869年にアメリカで初の大陸横断鉄道が完成し、同年スエズ運河も開通している。日本で初めて鉄道が開業したのは1872年。

26

それまでのNAFTAが2020年にトランプ大統領の方針によってUSMCAになった。この際、トランプ大統領が問題にしたのはアメリカの産業(雇用)を守ること。よって、③は誤り。アメリカではメキシコ系の不法移民が大きな問題になっている。また、④も誤り。アメリカではアメリカ内での部品調達率を上げようとしている。域内分業体制で有名なのはEUの航空機。

①USMCAとEUは域内の人口は同程度。しかし、EUのほうがヒト・モノ・カネの移動が自由であり、また加盟国も多い。よって、貿易額はEUのほうが多くなるので誤り。

3

2021 パックV ⑤

1 / 15

高山地域の自然環境や人間生活は,地域によって大きく異なっている。次のア~ウは,アンデス山脈中央部,チベット高原,ヒマラヤ山脈南面のいずれかの地域における自然と生活について述べた文章である。ア~ウに該当する高山地域の組合せとして正しいものを,以下の①~⑥のうちから一つ選べ。
ア 高山ツンドラと永久凍土の広がるこの地域では,主として放牧が行われている。短い夏の間には,大麦やソバなどが栽培されるところもある。羊の毛織物や干上がった湖底でとれる岩塩が主要な交易品である。
イ 標高4,000m以下では針葉樹林の広がる急斜面が,それ以上では氷河がみられる。夏には森林限界よりも高い場所までヤクの移牧が行われている。近年,森林の過剰な伐採や土壌侵食などの問題が起こっている。
ウ 標高の低いところではトウモロコシや小麦が,高いところではジャガイモが栽培されている。冬の乾燥と気温の日較差を利用して,農民はジャガイモを足で踏み,水分をしぼり出して保存食品に仕上げている。

2 / 15

図1中の地点R付近の気候は,沖合を流れる海流の影響を大きく受けている。その海流名を,次の①~④のうちから一つ選びなさい。

3 / 15

R地点付近の気候について述べた文として最も適当なものを,次の⑤~⑧のうちから一つ選びなさい。

4 / 15

次の図2中の①~④は,図1中の線A~Dのいずれかに沿った地形断面を示したものである。線Cに該当するものを,図2中の①~④のうちから一つ選べ。

5 / 15

河川流量の年変化は,流域の気候環境などを反映する。次の図3は,エニセイ川,コンゴ川,ミシシッピ川の流域と主な河道および流量観測地点を示したものであり,下の図4中のF~Hは,図3中のいずれかの河川の流量観測地点における月平均流量を示したものである。河川名とF~Hとの正しい組合せを,以下の①~⑥のうちから一つ選べ。

6 / 15

次の図3は,1人当たりGNI(国民総所得)と1日当たり原油生産量によって西アジアの国々をa~dの4つのグループに分けたものであり,下の図4は,各グループの分布を示したものである。図4中の凡例カ~クは,図3中のa~cのいずれかである。a~cとカ~クとの正しい組合せを,以下の①~⑥のうちから一つ選べ。

7 / 15

次の図2は,アメリカ合衆国,中国,ペルー,ロシアの水産物生産量の推移を示したものである。図2を説明した文として最も適当なものを,以下の①~④のうちから一つ選べ。

 

8 / 15

乾燥地域の生活の変化について述べた次の文①~④のうちから,適当でないものを一つ選べ。

9 / 15

次の表2は,アメリカ合衆国,アルジェリア,タイ,日本,フランスの農業就業人口の割合,農業就業者1人当たりの耕地面積,耕地1ha当たりの穀物生産量を示したものである。タイに該当するものを,表2中の①~⑤のうちから一つ選べ。

 

10 / 15

次の図1は,アジア,北アメリカ*,南アメリカ,ヨーロッパにおける小麦,米,トウモロコシおよびその他の穀物のいずれかの全穀物生産量に占める割合を示したものである。ア~ウに該当する穀物の組合せとして正しいものを,以下の①~⑥のうちから一つ選べ。

11 / 15

次の図3は,日本国内における国籍別在留外国人数の推移を示したものであり,①~④はアメリカ合衆国,韓国・朝鮮,中国*,ブラジルのいずれかである。ブラジルに該当するものを,図3中の①~④のうちから一つ選べ。

12 / 15

ブラジルと日本の人的交流やそれに関連することがらについて述べた次の文章中の①~④のうちから,適当でないものを一つ選べ。
19世紀に独立したブラジルは,ヨーロッパや日本から多くの移民を農業労働者として受け入れた。1908年からブラジルに多くの日本人が渡り,初期の移民は主に①コーヒー農園の労働者として働いていた。その後,日本人移民の中には,②土地を所有して農業で成功したり,商工業などで成功したりする者も現れた。
一方,日本では1990年の法改正によって,1990年代前半に日系人を中心とする③ブラジル国籍の在留外国人が急増した。日本に在留するブラジル人の大半は④大都市に立地するITソフトウェア企業で働いてきた。

13 / 15

次の図4は,いくつかの国における漁業生産量*と肉類生産量を示したものであり,①~④は,アルゼンチン,ブラジル,ペルー,ボリビアのいずれかである。ペルーに該当するものを,図4中の①~④のうちから一つ選べ。

14 / 15

次の表1は,いくつかの国について,都市人口率と都市人口に占める最大都市の人口の割合を示したものであり,①~④は,エチオピア,カナダ,ドイツ,フィリピンのいずれかである。ドイツに該当するものを,表1中の①~④のうちから一つ選べ。

15 / 15

次の図2は現在のダマスカスの市街図である。この図を見てダマスカスの特徴を述べた文として適当でないものを,以下の①~④のうちから一つ選べ。

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