ヨーロッパの農牧業の特色
- 有畜農業 … 「家畜なくして農業なし」
- 高い生産性 = 土地生産性も労働生産性も高い
- 畑作中心の輪作
発展
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冬耕地では温暖湿潤な気候を利用して冬小麦を栽培。夏は高温乾燥のため耕作はできない。休耕地ではヤギや羊を放牧。夏は移牧も行われていた。のち硬葉樹の栽培が始まり地中海式農業に発展。
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西岸海洋性気候である北西ヨーロッパでは夏季も耕作が可能なため始まる。夏耕地では春小麦、ライ麦、エン麦、大麦などを栽培。休耕地では牛や豚を飼育。短冊状の畑(犂で牛馬が耕すのに便利)
近世 = フランドル農法・(3 )、産業革命によって安価な穀物の輸入開始
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根菜(カブ)の栽培を導入することで冬季に家畜の飼育が可能になった。休耕地では大豆やクローバーなどマメ科の植物を栽培。休耕地がなくなる。イギリスのノーフォーク州で始まった。
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→ 商業的混合農業、酪農、園芸農業に分化し現代にいたる
二圃式農業から現在の地中海式農業、ノーフォーク農法から園芸農業・酪農・混合農業が発達。
(1) 商業的混合農業
家畜の飼育と作物栽培が有機的に結合。輪作、化学肥料の使用、機械化など合理的。生産性も高い。
混合農業地域
ドイツ … 小麦、ジャガイモ、てんさいを栽培、肉牛、豚などを飼育。(甜菜は砂糖を絞ったかすを飼料にする)
フランス … 小麦、ブドウ(収入は家畜より小麦・ブドウのほうが多い)、小麦はフランス平原が中心。ブドウは(4 )やメドック地方、ラングドッグ地方が有名。
イタリア … Cfaである(5 )流域(パダノ=ヴェネダ平野)で行われている。小麦・とうもろこし・米・肉牛
アメリカ合衆国 … (6 )(プレーリーからグレートプレーンズ)、北部は春小麦、南部は冬小麦
(政府が支持価格を設定し、生産を援助)、(7 )・イリノイ州中心
アルゼンチン … (8 )= ラプラタ川流域。黒色土の広がる肥沃な草原
東欧・バルカン半島 … 社会主義体制の下、集団化と国有化。But 社会主義体制崩壊によって変化
(2) 酪農
乳牛を飼育し、牛乳・乳製品の生産を行う(デンマーク = ホルシュタイン種、イギリス = ジャージー種)
特色
- 自然条件:冷涼な気候と痩せた土壌(氷河の末端部)、穀物栽培には不適
- 発達:大都市の近郊で発達、冷凍技術やクリームセパレータの発明でさらに発達
- 科学的な飼育管理:品種改良、設備、濃厚飼料
- 大都市近郊では生乳、遠郊ではチーズなどを生産する酪農が発達
酪農地域
デンマーク … 家族労働、規模は10~20ha、10~20頭の乳牛を飼育、合理的・多角的な経営、共同組合
オランダ … 干拓地 = (9 )を中心に酪農・牛乳・チーズ・バター
スイス … (10 )= 家畜を季節的に気象条件の異なる地域に移動させる牧畜。夏は高地の牧場(アルプ)で飼育、冬はふもとの村で舎飼い、酪製品をつくる山小屋 = シャレ-
北アメリカ … 五大湖沿岸からセントローレンス川流域
オーストラリアの都市近郊やニュージーランド
(3) 園芸農業
都市への出荷を目的として、野菜・果物・花卉・庭木などの栽培を重点的に行う集約的農業
特色:集約的経営 … 技術・資本・労働力の投下、多毛作、多肥料、高い生産性
(12 )… ビニルハウスなどを使用(早期出荷 OR 晩期出荷) ⇔ 露地栽培
例)宮崎平野や高知平野のなす・きゅうり・ピーマン
例)野辺山(長野県・八ヶ岳山麓)や嬬恋(群馬県・浅間山山麓)のキャベツ・レタス・白菜
出荷時期をずらすことで、出荷量が少なく高値の時期に出荷することができる。
(15 )… 都市から遠いところで栽培し、トラックやフェリーなどを利用して輸送
(4)地中海式農業
Cs気候の地域で行われる
夏に高温少雨になるため、樹木を栽培(オレンジ・ブドウ・(16 )・オリーブ等) = 乾燥に強い
冬は雨が多いので、(17 )を栽培(温暖なので冬小麦もOK)
ヤギ・羊などの家畜も飼育している。
- 樹木からとれるものは商品作物となり、小麦などは自給的作物となる
有名な場所
地中海沿岸 … スペイン、イタリア、フランス南部等。小規模農業が多い。小麦・オリーブ・ブドウ・柑橘類
アメリカ … (18 )中心(アメリカ最大の農業州)、小規模農園が多く従業員はメキシコなどからの移民が多い
南アフリカ共和国 … 白人農場下で商品作物の栽培が近年増加中
山の斜面でブドウの栽培がさかん、ほとんどはワインに加工される
チリ … 北半球の季節差を利用したリンゴ・ブドウ・野菜等の栽培、輸出され外貨獲得に貢献している
(5) EUの共通農業政策
1968 農業共同市場
- 主要農作物に統一価格を導入
支持価格制度 … 最低価格を保証し、農家が安心して農業をできるようにする。
(もし、最低価格以下になった場合国が補助をする)
輸入(20 )制度 … 安価な輸入農産物に課税し、価格を引き上げる
輸出補助金 … 安価な農産物の輸出を増やす
- これらの政策によって、EUの財政負担は増大している。
- ということは、農業が盛んな国の農民はたくさんの補助を受けているということ
→ フランスの農民はEUの共通農業政策の見直しに反対する
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ヨーロッパ農業の分布
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基本は以下のようにまとめる
1.混合農業
場所 … アルプス山脈以北
内容 … 穀物栽培と家畜飼育を組み合わせる
作物 … 穀物(小麦・ライ麦・じゃがいも)+ 家畜の栽培
2.地中海式農業
場所 … アルプス山脈より南
内容 … 夏に乾燥に強い照葉樹を育てる
作物 … ぶどう・オリーブ・オレンジ・コルク樫
3.酪農
場所 … デンマーク・オランダ
内容 … 乳牛を飼育し乳製品を出荷
作物 … 生乳、バーター、チーズ、ヨーグルト
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次に国ごとにまとめる
フランス … EU最大の農業国、小麦の栽培(北部の混合農業)やぶどうの栽培(南部の地中海式農業)が有名。シャンパーニュ、メドック、ラングドックも覚えよう。
イタリア、スペイン、ポルトガル … 地中海式農業、イタリアはオリーブやぶどうは世界有数の産出国。ポルトガルのコルク樫も出題されている。気候はCs(地中海性気候)
オランダ … 低湿地で干拓地(ポルダー)が有名。園芸農業がさかん。酪農ではチーズなどを生産。
イギリス … 商業的混合農業と酪農がさかん。気候はCfb(西岸海洋性気候)
アルプス山脈 … 国ではないが、イタリアやスイスなど。牧畜がさかん。
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有名な銘柄の産品も多く生産されている。例えば、シャンパンはシャンパーニュ地方で作られるスパークリングワインのこと。北にいくと寒くなってぶどうがつくれなくなるため、りんごからお酒を造る。ここでもカルバドスというノルマンディー地方で作られるお酒がある。これらはこの地方以外で作っても、この名を名乗ってはいけない。
有名な銘柄になると、当然品質管理が必要。産地が狭い範囲であればあるほど品質管理がしやすくなる。こうして有名な銘柄、つまり「ブランド」が成立する。
カマンベールチーズももとはフランス北部のカマンベールという村で作られていたもの。権利の関係で名前を独占することはできていないが、現在も産地として有名である。
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ヨーロッパのどこでどのような農業がさかんなのか、白地図にまとめてみよう!
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