熱帯気候(A)
① 熱帯雨林気候(Af)(資料集p48分布)
年中高温多雨(最寒月平均気温18℃以上、毎月60㎜以上の降水)
赤道周辺に発達する(風が弱く、空気が熱せられて上昇気流が起きるので激しい降雨がみられる = スコール)
植生 … 毎月60㎜以上の降雨がみられるので、落葉のない常緑広葉樹が分布 = 熱帯雨林が発達
※ 熱帯雨林は非常に背が高く、葉が生い茂るため太陽光が土壌まで届かず、下部では湿気が多い
※ 熱帯雨林はアマゾンの(1 )、東南アジアやアフリカの(2 )が有名
土壌 … (3 )や赤色土が分布、酸性で地力が低く農業に向かない
※地力が低いのは落葉がないこと、溶脱(土壌の有機物を降水が洗い流してしまう)が起こることによる
※溶脱の結果、土中には水に溶けない鉄分やアルミ分がのこる。これがボーキサイトのもとになる
分布 … 赤道を挟んで緯度5℃くらいの範囲に集中。アマゾン川やコンゴ川の流域、東南アジアなど
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② 熱帯モンスーン気候(Am)
熱帯雨林気候とほとんど差がないが、モンスーン等の影響で弱い乾季がみられる
分布 … インド半島南西岸、インドシナ半島沿岸部、フィリピン北部、西アフリカ南西部、アマゾン川下流域など
③ サバナ気候(Aw)
熱帯雨林の周辺部に分布し、太陽の回帰によって夏季は雨季、冬季は乾季となる気候
(夏季は赤道低圧帯、冬季は亜熱帯高圧帯の栄養を受ける)
→ 夏季に少雨の場合干ばつ、多雨の場合洪水がおこりやすい
植生 … サバナが広く展開(丈の高い長草草原とまばらに生える樹木)
※サバナはオリノコ川上流の(4 )、パラグアイからアルゼンチン北部の(5 )、ブラジル高原の(6 )などが有名
土壌 … (3 )や赤色土が分布、あまり農業に適さない。
※ ブラジル高原の(7 )やインドデカン高原の(8 )などの肥沃な間帯土壌もある
乾燥帯(B)(資料集p51分布)
<乾燥帯を判別する式>
R = 年降水量、r = 乾燥限界値、t = 年平均気温、a = 定数
定数は降水の型によってきまり、s型なら0、w型なら14、f型なら7となる
上記のとき、r=20(t+a)で計算し、
R < 1/2r ならば砂漠気候(BW)
1/2r ≦ R ≦ r ならばステップ気候(BS)
① 砂漠気候(BW)
気温の年較差、日較差が非常に大きい。また、降水量が極めて少ない。(250㎜未満がほとんど)
植生 … なし
土壌 … 砂漠土(アルカリ性)、農業はできない
オアシスや外来河川などを水源に集落が成立することがある。ナツメヤシなどを栽培するオアシス農業
砂漠の形成要因(資料集p52コラム)
・ (9 )
年中亜熱帯高圧帯の影響下にあり、ほとんど雨が降らず砂漠となる
アフリカ大陸北部のサハラ砂漠、アフリカ大陸南部のカラハリ砂漠、アラビア半島のルブアルハリ砂漠やネブド砂漠、オーストラリア大陸中部のグレートサンディー砂漠やグレートヴィクトリア砂漠など
・ (10 )
沖合を流れる寒流の影響で上層の暖気と下層の寒気が固定され、上昇気流が生じにくくなり砂漠となる
南アメリカ大陸でペルー海流が作り出すアタカマ砂漠、アフリカ大陸でベンゲラ海流が作り出すナミブ砂漠
※ 本来なら熱帯であるはずの低緯度地方の西岸部に成立する
・ (11 )
海洋の影響のほとんどない内陸部で、水蒸気の供給量が非常に少ないため砂漠となる
中国とモンゴルの国境付近のゴビ砂漠、中国西部のタリム盆地に広がるタクラマカン砂漠など
・ (12 )【あまかげさばく】
卓越風の風下側にできる砂漠。フェーン現象の風下側にできるということ。(風上側では地形性降雨)
アルゼンチン南部のパタゴニア地方など(アンデス山脈を越える乾燥風を(13 )という
※ パタゴニア地方で主に飼育されている家畜は羊(乾燥に強く粗食に耐えられる)
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問題例
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解答例
a 沖合を還流のペルー海流が流れており、地表面の大気が冷やされるため上昇気流が発生せず、乾燥して形成されたアタカマ砂漠。
b アンデス山脈に偏西風がぶつかる風下側に位置する。フェーン現象により年中乾燥して形成されたパタゴニア。
② ステップ気候(BS)
砂漠気候の周辺に展開し、赤道低圧帯や亜寒帯低圧帯の影響で短い雨季があるので、若干降水量が多く、丈の短い草原(ステップ)が広がる。降水量の目安は250㎜~500㎜。砂漠気候と同じで気温の日較差が大きい
植生 … 丈の短い草原が広がる
土壌 … 栗色土(石灰石作用を受けている)や黄色土(赤色土の一種)
※ロシア南部からウクライナにかけては(14 )=【黒色土】がひろがり、肥沃度が高く、小麦の栽培に適している。
温帯(C)(資料集p54分布)
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① 地中海性気候(Cs)
夏は亜熱帯高圧帯から吹き込む偏西風の影響で少雨、冬は亜熱帯高圧帯から吹き込む偏西風の影響を受けず多雨になる気候。ヨーロッパの地中海沿岸によくみられる気候。(緯度30~40°付近の大陸の西岸に分布)
植生 … 耐乾性の樹木である硬葉樹((15 )、コルク樫、月桂樹)などがみられる。夏季の高温乾燥を利用した(16 )がさかん(レモン・オリーブ・オレンジ・ブドウなどが有名)
※ 羊やヤギなど耐乾性の強い家畜の栽培もさかん
分布 … ヨーロッパ地中海沿岸、(18 )西部、オーストラリア南部、アメリカ合衆国(17 )周辺、チリ中部(南アメリカ大陸西部)など
② 温暖湿潤気候(Cfa)
気温の年較差が大きく(最暖月平均気温が22℃を越える)四季が明瞭、降水量が多い(年降水量が1000㎜を越える) = コメ作りに適した気候、緯度30~40°の大陸東岸に分布
植生 … 常緑広葉樹や落葉広葉樹、針葉樹など多種にわたり、混合林もみられる
土壌 … 褐色森林土、温帯草原ではプレーリー土、肥沃な土壌が広がる
分布 … ユーラシア大陸東岸、北アメリカ大陸東岸、南アメリカ大陸東岸(ラプラタ川河口付近)、オーストラリア大陸東岸
※ アメリカ合衆国中部のプレーリー、アルゼンチンの湿潤パンパ、ハンガリーのプスタでは小麦を栽培
③ 西岸海洋性気候(Cfb)
大陸の西岸で、偏西風が湿度の高い大気(温まりにくく冷めにくい)を運んできて成立する。北緯40~60°付近と比較的高緯度でありながら年較差が小さめで、年間を通して雨が降る(温暖湿潤気候よりは少ない500~800㎜が多い)
→ 温まりにくく=最暖月平均気温が22℃未満、冷めにくい=最寒月平均気温が‐3℃以上
植生 … 落葉広葉樹、針葉樹が多い(混合林もみられる)
土壌 … 褐色森林度
分布 … 緯度40~60°付近の大陸西岸が多い、ヨーロッパ西部、カナダからアラスカにかけての太平洋岸、チリ南部、オーストラリア南東部、ニュージーランド全域
④ 温帯冬季少雨気候(Cw)
モンスーンの影響が強いか、サバナ気候が発達する地域(最寒月平均気温が18℃以上)の高緯度側もしくは高標高地域でみられる気候。(高標高地域は大気の逓減率によって温帯になってしまう!)
植生 … 常緑広葉樹(特に照葉樹=カシ、シイ、クスなど葉が照って見える樹木)が多くみられる
分布 … サバナ気候(Aw)に接しており、主に大陸の東部
亜寒帯気候 = 冷帯(D)(資料集p58分布)
年較差の大きいところの大陸性の気候。北半球にしか存在しない(南半球は緯度40~70°付近に広大な陸地がなく、年較差が大きくならないため亜寒帯気候は存在しない)
① 亜寒帯湿潤気候(Df)
亜寒帯低圧帯の影響で年中降水がみられる。CfaやCfbに接していることが多い。
最寒月平均気温が‐3℃を下回ることが条件(よって、夏はいくら暑くてもよいということになる)
植生 … 針葉樹林(19 )が広がる → 林業が発達
※ 降水量が少ないが、蒸散量も少ないため樹木は育つ。また、下層に永久凍土があり保水性もよい
南部(温帯と接する)では、混合林が広がり、褐色森林土が分布して農業地帯となる(春小麦やトウモロコシ、大豆などの生産)。ただし、亜寒帯は基本的に一年一作地帯
分布 … ヨーロッパロシア(ウラル山脈以西のロシア)、シベリア中西部(ウラル山脈以東~レナ川)、アラスカ~カナダ、北海道など
② 亜寒帯冬季少雨気候(Dw)
気温年較差が極端に大きく冬季に少雨となる気候。亜寒帯低圧帯の影響で夏季には降水量が多いが、冬季はシベリア高気圧の影響で降水量が少なくなる。
(20 )東北部(中国東北部~シベリア東部)にしか存在しない
寒帯気候(E)(資料集p60分布)
最暖月平均気温が10℃未満となる気候。これが森林限界とほぼ一致するので、植生は見られない
① ツンドラ気候(ET)
最暖月平均気温が0℃以上の寒帯。極高圧帯の影響で降水量は少ない
この地域でも人間が生活している。アラスカからカナダにかけて居住する(21 )やスカンディナヴィア半島北部からコラ半島の(22 )が有名。(23 )を飼育し、狩猟や遊牧を行う。
土壌 … 強酸性のツンドラ土、夏に地衣類(菌類や藻類)や蘚苔類(コケ)が生育することもある
分布 … ユーラシア大陸北部、北アメリカ大陸北部、グリーンランド沿岸部、南アメリカ大陸南部など緯度60~70°付近に分布
② 氷雪気候(EF)
最暖月平均気温が0℃未満の気候。極高圧帯の影響が強く、常に氷点下かつ降水量が少ない。
植生 … なし
分布 … グリーンランドや南極大陸
高山気候(H)(資料集p61分布)
ケッペンの気候区分にのちに加えられたもの(地理学者G.トレワーサーによる)
温帯で(24 )m以上、熱帯で(25 )m以上を目安に高山の気候を表現。
気温の日較差は大きいが、年較差は小さい。また、高山にあるため、一年中春のような気温が続く。
エクアドルの首都(26 )などは要注意!
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