東日本大震災から10年
2011年3月11日。東日本を大地震が襲いました。激しい揺れと巨大な津波が関東・東北地方を中心に発生し、死者・行方不明者が2万人以上という大災害になりました。また、福島第一原子力発電所が事故を起こしました。原因は津波に襲われたことで冷却装置が動かなくなったことです。周囲に放射線が漏れ、その周辺は現在でも避難指示が解除されず、約2万8000人が避難生活をしています。
国は、復興庁を設置し東北地方の復興を目指してきました。インフラの復旧、住宅地の高台への移転、防潮堤の建設などがすすめられ、多くの事業が完了しました。
一方、福島第一原子力発電所の廃炉作業は現在も進められています。しかし、作業は計画通りに進んでおらず、高濃度の放射性物質を含んだ汚染水を貯めたタンクはもうすぐいっぱいになります。政府は、汚染水の放射性物質の濃度を国の放出基準より下げたうえで海に流すことを決定しました。しかし、風評被害を恐れる漁業関係者からの反対の声や韓国・中国などからは反発する意見も出ています。
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念のため、エネルギー資源の輸入相手を掲載しました。主な国は覚えるようにしてください。
日本の現状
東京オリンピックは「復興五輪」を掲げていました。ソフトボールなど一部の競技が福島で行われました。しかし、復興五輪という機運が盛り上がったとはけっしていえません。岸田内閣では復興担当大臣が沖縄・北方担当大臣を兼務する体制となりました。これは今までにはなかった体制で、徐々に復興というものの重みがなくなっているというとらえ方もできます。そのような中でも原子力発電所の再稼働はすすめられています。そのような中で、政府は原子力発電所の安全基準を新しく定めました。そこでは、運転期間は原則40年とし、より厳しい安全基準を満たした原子力発電所だけが運転できることにしました。そのため、東日本大震災以降稼働できない原子力発電所が増え、原子力発電の割合は急減しました。それによって、日本の発電量は減少し、電力不足の危機さえ起こるようになっています。一方、政府は2030年の電源構成に占める原子力の割合を20~22%としました。2019年度の原子力発電の割合はわずか6%です。2030年の目標値を達成するために、国の審査に合格した運転40年を超える原子力発電所を例外的に再稼働させることにしました。2021年5月には美浜原子力発電所(福井県)、同じく5月に高浜原理力発電所(福井県)の再稼働が決定し、6月には美浜原子力発電所が再稼働しました。
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上のグラフを見ると、2011年を境に原子力発電の割合が急減しています。それまでは電力の30%を占める勢いでしたが、ほぼ0の年もあります。一方、新エネルギーは増加しています。しかし、発電送料をみると、減少しているのが現在の日本です。また、石炭火力の割合が高いことも特色です。これはCO2削減ということから考えると、少なくしなければいけないとされています。
日本は首都直下型地震や南海トラフ地震など巨大な地震がいつ起きてもおかしくない状態です。また、最近では豪雨による洪水や土砂災害などが増えています。国や地方自治体は防災・減災の取り組みをしています。老朽化した建物や橋などの耐震強化工事を進め、堤防などを建設しています。個人の取り組みも重要で、日ごろからハザードマップを確認し、被害を受けやすいところと避難場所を確認しておくことが大切です。また、災害への備えとして、自助・共助・公助ということが言われています。自助とは自分自身や家族を自分で守ること。共助とは、地域住民同士で互いに助け合うこと。そのうえで、国や地方自治体による救助・支援が行われるということです。
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しかし、自助には各個人の状況によりできることとできないことがあります。障碍者やお年寄りなどの社会的弱者が救助を求めづらい世の中になっては元も子もありません。共助についても、地域によって状況は違いますし、自分のことで精いっぱいになっている人もいるでしょう。そのような中で、自助・共助を求めるあまり公助が少なくなってしまし、本当に支援が必要なところに支援がいかなくなってしまっては本末転倒であるといえます。
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