進む円安

円安とは

円安とは、日本のお金(円)が他の国のお金(ドルやユーロなど)に比べて価値が下がることです。円安が進むと、日本で買うものが高くなります。これはどうしてでしょうか?

円と外国のお金を交換する比率を為替といいます。これは毎日変動しています。例えば、今日は1ドル=100円だったものが、次の日は1ドル=110円になる、などです。この例でいえば、1ドル100円は1ドル110円よりも円高、1ドル110円は1ドル100円よりも円安といいます。

円安の影響

円安になると、日本で買うものが高くなる理由は、日本は食べ物や石油など、たくさんのものを他の国から買っています。これらのものはドルやユーロなどで支払わなければなりません。円安になると、ドルやユーロを買うのに必要な円が多くなります。例えば、1ドルのものを買うのに、今までは100円払えばよかったのに、これからは110円になってしまう、などです。

つまり、同じ量のものを買うのに、日本ではもっとお金がかかるようになります。これを物価上昇と言います。

外国からものを買う(輸入する)時の金額が高くなってしまったわけですから、今までと同じ貿易をしていると、日本は損をしてしまいます。これを貿易赤字と言います。

円安にはメリットもあります。例えば、日本に旅行に来る外国人(インバウンド)が増えたり、日本から海外に投資する人が増えたりします。しかし、デメリットも多いです。物価上昇や貿易赤字は、日本の経済や暮らしに悪影響を与えます。円安が進む原因はいろいろありますが、政府や中央銀行は円安を防ぐために対策を取っています。

しかし、2022年からの円安はなかなかおさまらず、2022年から1ドル110円台から一気に1ドル150円前後まで円安が進んでいます。これによって様々な影響が出ているのが現在の日本の様子です。

貿易収支

貿易収支とは、日本が他の国とお金をやり取りするときに、どちらが多くもらっているかを計算したものです。赤字とは、日本が他の国よりも多くお金を出していることを意味します。これを輸入超過と言います。なぜ日本の貿易収支が赤字になったのでしょうか?その理由は二つあります。

一つ目は、東日本大震災後エネルギーの輸入が大量に必要になったことです。東日本大震災は2011年に起きた大きな地震と津波で、多くの人が亡くなったり家を失ったりしました。この災害で、原子力発電所も壊れてしまいました。原子力発電所は、原子の力を使って電気を作る工場です。原子力発電所が壊れると、放射能という危険な物質が出てきて、人や動物や植物に悪影響を与えます。放射能は目に見えないので、気づかないうちに体に入ってしまうこともあります。放射能が体に入ると、病気になったり体の一部が変わったりすることがあります。だから、原子力発電所が壊れた後は、その近くに住んでいた人たちは遠くへ引っ越さなければなりませんでした。

原子力発電所が使えなくなると、日本は電気が足りなくなりました。電気は私たちの生活に必要なものです。電気があれば、テレビやパソコンや冷蔵庫やエアコンなどを使うことができます。でも、電気は自然にあるものではありません。人間が作らなければなりません。原子力発電所以外にも、水力発電所や火力発電所や太陽光発電所など、いろいろな方法で電気を作ることができます。でも、それらだけでは日本の電気の需要を満たすことができませんでした。だから、日本は他の国からエネルギーを買うことにしました。エネルギーとは、電気を作るために必要なものです。例えば、石油や石炭や天然ガスなどです。これらのエネルギーは日本ではあまり採れません。だから、中東やオーストラリアやロシアなどから船で運んでもらわなければなりません。これらのエネルギーは高価です。日本は他の国から多くのエネルギーを買ってしまったので、貿易収支が赤字に傾きました。

二つ目は、円安が進んだことです。円安とは、日本のお金(円)が他の国のお金(ドルやユーロなど)よりも安くなることです。例えば、1ドル=100円だったとします。このとき、日本人がアメリカから物を買うときは、100円を1ドルに交換してから買うことになります。でも、円安が進んで1ドル=120円になったとします。このとき、日本人がアメリカから物を買うときは、120円を1ドルに交換してから買うことになります。つまり、円安が進むと、日本人が他の国から物を買うときには、より多くのお金を払わなければなりません。逆に、他の国の人が日本から物を買うときは、より少ないお金で買えるようになります。円安が進むと、日本の物は他の国の人にとって安くなるので、日本から物を買う人が増えます。これは日本にとって良いことです。でも、円安が進みすぎると、日本から物を買う人があまりにも増えすぎて、日本の物が足りなくなってしまいます。また、日本が他の国から物を買うときには、あまりにも多くのお金を払わなければならなくなってしまいます。これは日本にとって悪いことです。だから、円安が進んだことも、貿易収支が赤字になった原因の一つです。

物価上昇

デフレ社会とは、物の値段が下がり続けることです。物の値段が下がると、お金を持っていても買い物をしなくなります。買い物をしないと、お店や工場は売れなくなって困ります。売れないと、お店や工場はお金を稼げなくなります。お金を稼げないと、お店や工場は人を雇えなくなります。人を雇えないと、働きたくても働けない人が増えます。働けない人が増えると、国全体が貧しくなります。

物価上昇とは、物の値段が上がり続けることです。物の値段が上がると、お金を持っていても買えるものが少なくなります。買えるものが少なくなると、生活に必要なものや楽しいものを手に入れるのが難しくなります。生活に必要なものや楽しいものを手に入れるのが難しくなると、人々は不満や不安になります。

賃金とは、働いた分だけもらえるお金です。賃金が上昇すると、働いた人はより多くのお金を手に入れられます。より多くのお金を手に入れられると、生活に必要なものや楽しいものを買うことができます。生活に必要なものや楽しいものを買うことができると、人々は満足や安心になります。

しかし、物価上昇と賃金上昇は必ずしも同じペースで進みません。物価上昇が賃金上昇より速く進むと、働いた人は実際に買えるものが減ってしまいます。賃金上昇が物価上昇より速く進むと、お店や工場は利益が減ってしまいます。どちらの場合も、経済に悪影響を与えます。

ここ数年、円安が進んだこともあって日本の物価は上昇しました。もちろん、賃金も上がりましたが、賃金の上昇が行われない会社もあります。また、賃金の上昇以上に値上がりしたものもあります。ガソリン、電気、小麦などは補助金を交付することで価格上昇を抑えました。

今後どうなるのかは不透明です。政府や日本銀行(日本の中央銀行)はまだデフレから完全に脱却したとは言えないと言っています。つまり、今後は不透明だということです。物価上昇や賃金上昇は、国内だけでなく世界中の経済や政治や自然災害などに影響されます。これらの要因は予測しにくく変化しやすいです。だからこそ、私たちは経済の動きに注意しながら、自分たちの生活を守るために努力しなければなりません。

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