日本経済 マイナス成長

その他

GDPマイナス成長

 2020年から始まったコロナウイルスの感染拡大は経済に大きな影響を及ぼしました。ヒト・モノの移動が制限されたことにより、品不足などの影響もありましたが、様々な業種で同時に売り上げも減少しました。入国制限によるインバウンドの減少は宿泊・飲食・観光などの売り上げ減少につながりました。国内の移動も減少し、同様のことが起こりました。飲食店を中心とする営業時間短縮の影響で飲食店も売り上げが減りましたし、テレワークの普及は鉄道など運輸業界の売り上げ減少につながりました。JR東日本は2020年と2021年は2年連続して赤字となりました。

 2020年4月に緊急事態宣言が発出されると4~6月のGDPは大きく落ち込みました。宣言が解除されると経済活動が活発化し7~9月、10~12月のGDPはプラスになりました。しかし、2021年1月にふたたび緊急事態宣言が発出されると再び個人消費は落ち込み、1~3月の個人消費は再びマイナスに転じました。結局2020年度の実質GDPは前年度比マイナス4.4%減となりました。これはリーマンショック(世界金融危機)のあった2008年度比3.6%減を上回る過去最大の下げ幅となりました。

コロナ下での経済

 新型コロナウイルス感染拡大の続く日本経済を「K字型」と表現します。これは、打撃を受けて低迷が続く業種と売り上げを伸ばす業種がはっきりと分かれたことを示しています。

 外国から日本を訪れる人をインバウンドといいます。2003年から国土交通省が中心となってビジット・ジャパン・キャンペーンを実施している日本は、順調にインバウンドを増やしてきました。当時は年間のインバウンドが500万人にとどまっていましたが、2019年には過去最大の3200万人まで増加しました。2020年に予定されていた東京オリンピックは2021年に延期され、最終的には無観客での開催になりました。このような影響で、2020年にはインバウンドは410万人と急減し、観光業や運輸業を中心に大きな影響がありました。また、各国でロックダウンなどが行われたことによって消費は減り、自動車の輸出などは急減しました。

 一方、家にいる時間が増え、テレワークが増加したことによって売り上げを伸ばした業種もありました。例えばパソコンや家庭用電化製品は売り上げを伸ばし、フードデリバリーやインターネット通販は売り上げを伸ばしています。インターネットを利用したゲームなども大きく売り上げを伸ばした業界です。また、これらのことから半導体の不足も起こっており、自動車やスマートフォンなどの生産ができないという問題も起こっています。

貿易と消費税

 2020年の日本の貿易は輸出額が輸入額を上回る貿易黒字になりました。貿易黒字は2017年以来のことです。前年に比べて輸出額も輸入額も減少していますが、輸入額の落ち込みの方が大きい結果です。輸入では特に石油や天然ガスなどの価格が下がり、資源の輸入額が減りました。一方、人々の移動が少なくなり需要が減少したため、アメリカやEU向けの自動車の輸出が一時大きく減少しました。2021年に入ると世界各国の経済は回復基調になり、貿易も回復傾向にあります。

 2021年は価格表示も変更されました。今までは「1000円+税」というような税抜き価格での表示も認められていました。しかし、税込みの価格で表示されているものもあり、消費者にとって紛らわしいことから「1100円(税込み)」というような税込みの総額表示が義務化されました。

景気変動

 景気変動とは、経済全体の状態である景気が良くなったり悪くなったりすることです。景気が良いときは生産が増え、消費も増加します。失業者も減少し、給与が増えることで経済全体がうまく回りますが、急激なインフレーションが起こる恐れがあります。もちろん、景気が悪いときはその逆になります。さらに景気が悪いときはデフレーションの恐れがあります。

景気は自然によくなったり悪くなったりするものですが、何かきっかけがあって景気が悪くなる時もあります。1929年の世界恐慌、1973年の石油危機、1991年のバブル崩壊、2008年のリーマンショックなどが知られています。もちろん、今起こっている新型コロナウイルス感染症の拡大もそれにあたるでしょう。

 一方、景気の調整も行われています。日本では中央銀行である日本銀行と政府がそのお役割を果たしています。政府は財政政策、日本銀行は金融政策によってその役割を果たしています。2020年から2021年にかけて、企業や個人に給付金を支給しました。特に全国民に10万円を支給した定額給付金は話題になりました。また、企業が雇用を維持するための雇用調整助成金や、休業や時短営業に協力した飲食店への協力金などがこれにあたります。これらは、収入が減った個人や企業への支援であるとともに、消費を刺激することも目的となっています。また、「GO TO キャンペーン」という旅行や外食への助成も話題になりましたが、2020年には実施と共に新型コロナウイルス感染が拡大局面を迎え、中止されてしまうということもありました。

   … 日本を訪れた外国人のこと

   … インターネットなどを利用して、職場に行かずに仕事をすること

   … 物価が上昇し、貨幣価値が下がること。好景気の時におこりやすい。

   … 物価が下落し、貨幣価値が上がること。不景気の時におこりやすい。

   … コロナウイルスのまん延により経済対策として国民一人10万円を給付した。

   … 労働者を解雇しないように、企業に対して支払われた助成金

   … 旅行業界や飲食業界に対する助成金

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日本経済 マイナス成長

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1991年におこった急激な不景気を何と言いますか。

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1973年におこった急激な不景気を何と言いますか。

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2021年に問題となったことを選びなさい。

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北里柴三郎の功績でないものを選びなさい。

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津田梅子が設立した学校を選びなさい。

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コロナ下で売り上げを伸ばした業種を選びなさい。

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1929年におこった急激な不景気を何と言いますか。

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国内で生産された価値の総額を示す指標を何と言いますか。

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渋沢栄一が設立したものではないものを選びなさい。

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2024年に発行される予定の新5千円札の肖像は誰ですか。

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2024年に発行される予定の新紙幣で行われている工夫としてふさわしくないものを選びなさい。

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2008年におこった急激な不景気を何と言いますか。

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2024年に発行される予定の新千円札の肖像は誰ですか。

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コロナ下での日本経済を表現した言葉を選びなさい。

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コロナウイルスの拡大により減少した外国人の日本入国者を何と言いますか。

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2024年に発行される予定の新1万円札の肖像は誰ですか。

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