憲法改正

第二次世界大戦が終わると日本は  (連合国軍最高司令官総司令部)に占領されました。  の下で大日本帝国憲法改正という形を取り、日本国憲法が制定されました。

日本国憲法

日本国憲法は、      を三大原則としています。1946年11月3日に制定され、1947年5月3日に施行されました。つまり、2022年は憲法志向から75周年にあたります。

憲法の理念は前文に見ることができます。

日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。

われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う。

憲法改正を目指す動き

日本国憲法は改正することが非常に大変な憲法だと言えます。衆議院・参議院の両院で  以上の賛成で発議するとありますが、この数を確保するのは大変なことです。そして、国民投票で改正を最終的に決めますが、日本国憲法制定以来、憲法改正は一度も行われたことがありません。このように改正することが大変な憲法は「  」、改正しやすい憲法は「軟性憲法」と言います。もちろん、国にとって大切な決まりですから、その時の意見で簡単に変えることは危険なことでもあります。しかし、必要なのに変えられないというのもおかしなことだと言えます。

そして、時代も代わり、憲法の内容を変える必要があると主張する人たちもいます。

自民党(自由民主党)は現行の日本国憲法はGHQの指導のもとに作られたもので、日本人が自主的に作った憲法ではないとして、改正を主張しています。これに賛同する人々もたくさんいます。

2022年7月の参議院通常選挙の結果、憲法改正に前向きな勢力が参議院の3分の2を占めることになりました。衆議院でも現在憲法改正に前向きな勢力が3分の2を占めています。岸田文雄首相は「できるだけ早い時期に憲法改正を発議するように進めたい」としています。

ただし、護憲勢力の人々は「憲法改正は必要ない」「解釈の変更で十分だ」と主張しています。

憲法改正の論点

自民党の憲法改正推進本部によると、以下の論点が挙げられています。

① 自衛隊の明記

自衛隊は国民の安全を守るために必要な存在であるとし、

・ 憲法  条の第1項、第2項は維持し、自衛隊を明記する

・ 憲法第  条第2項を削除し、自衛隊の目的・性格を明記する

・ 上記に関係なく、シビリアンコントロール(=    )について明記する

という論点が挙げられています。

② 緊急事態について

国民の生命と財産を守るために緊急事態条項を設ける。その論点として以下の2点が記されました。

・ 選挙が実施できない事態に備え、国会議員の任期延長や選挙期日の特例を憲法に定める。

・ 政府への権限集中や私権制限を憲法に明記するべき。

近年、ウクライナでの紛争や新型コロナウイルス感染症の拡大などが起こりました。ウクライナでの紛争のようなことが起こったときに、日本政府は何ができるのかということを考えると、そのような緊急事態には大きな権限を与えるべきだという意見もあります。また、そのような紛争状態では選挙も実施することが困難になります。

また、新型コロナウイルス感染症拡大の対応でさまざまなことが行われましたが、国民の基本的人権を考えると、「外出禁止」「営業禁止」などを行うことはできませんでした。あくまで「要請」だったことを踏まえると、そのような時は政府に強い権限を与えるべきだという意見が出てきます。

もちろん、政府に強い権限を与えるということは、国民の権利が侵害される恐れがありますから、慎重な議論が必要になります。

③ 選挙制度について

参議院通常選挙では一票の格差問題を解消するため、選挙区で合区が行われています。以前は都道府県を単位としていましたが、現在は「鳥取県と島根県」「徳島県と高知県」が合区とされ、一つの選挙区となっています。

そこで、選挙区は人口をもとに決めることは前提に、行政区画などを考えて分けることを提案しています。

④ 教育について

教育の重要性を理念として憲法で明らかにするために憲法26条第3項を新設し、国が教育環境の整備を不断に推進しなくてはならないという規定を新設する。また、憲法83条を改正し、私学助成を禁止しているように読める条文を改正することも意見として出ている。

憲法改正の手順

憲法改正の手順については、日本国憲法  条に定められています。それによると、必要な手続きは以下の通りです。

衆議院と参議院(これを「両院」ともいう)でそれぞれ総議員の3分の2以上の賛成で  

  で過半数の賛成で可決

天皇が国民の名で公布

また、上の手順の中の「国民投票」を実施するための法律が国民投票法です。これは平成19年に成立し、平成26年に改正されて現在の形になりました。

投票権があるのは投票日に18歳以上の国民であり、投票は発議されてから80日目以降160日目以前に行われます。憲法改正が複数の項目に渡る場合、項目ごとに投票が行われ、「賛成」または「反対」に投票します。

以上の規定が決まったことで、国民投票が実際に行う手順が決まり、憲法改正が現実味を帯びてきました。今後どのような議論が行われ、どのような結果になるのか注目されます。

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憲法改正への道

1 / 9

現在の国会で憲法改正に前向きであると思われる政党ではないものを選びなさい。

2 / 9

国民主権について定めてあるのは憲法第何条か

3 / 9

天皇は日本国の(  )であり、日本国民統合の(  )である。

空欄に当てはまる語を選びなさい。

4 / 9

平和主義について定めているのは憲法第何条か

5 / 9

日本国憲法の三原則でないものを選べ

6 / 9

憲法第9条に明記するべきだという意見のある組織は何か。

7 / 9

憲法改正の発議に必要な条件を答えなさい。

8 / 9

憲法第25条と関係のある語を選びなさい。

9 / 9

日本国憲法公布の日はなんという祝日になっているか

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