夏期講習(産業)1

まず、各項目の1番大きい数字には印をつけよう。目で見てわかるようにすることは意外と大切です!

そのうえで各産業の特色を考えること。

情報通信業 → 東京でさかん。高度な専門性が必要なので非正規職員は少ない。

医療・福祉 → どの地方でも必要。介護や看護師など女性の割合が多い。

宿泊・飲食 → どの地方にもある。非正規職員の割合が高い。

金融保険業 → 東京の割合が多い。

答 ①

情報関連サービスは先ほどの問題で想像がつくはず。

いろいろな問題を解くことで考え方を身に着けていくことが大切。農業関連サービス業、道路貨物運送業もどのように考えるのかをしっかりと身に着けよう。

答 ⑤

第3次産業以外でも考え方は同じです。

出版印刷業は東京が一番さかんです。それ以外も大都市でさかんになる産業です。

食料品製造業は原材料の産地の近くがさかんになります。

電気機械製造業は内陸部でさかんになります。関東内陸工業地域や阪神工業地帯における淀川沿岸が有名です。

答 ⑤

世界地理でも考え方は同じです。

この問題の場合、「原料産地に立地を指向する」とわざわざ書いてあります。

ということはそれぞれの原料の産地が分かれば回答できます。

農業統計などは確実に覚えるべきものです。大雑把にどこの国で取れる、あるいはこの国が有名だけでも覚えましょう。

また、日本のことを把握することも大切です。

答 ②

情報を一つ一つ整理すること。

まず、A・Bの出国者・入国者を確定させる。

その時に大きなヒントになるのが日本。

現在の日本は大幅な入国者超過になっている。

ビジット ジャパン キャンペーンにより、2003年には出国者1500万人、入国者500万人だったのが、2015年には入国者が2000万人に迫り、出国者数を逆転した。)

よって、Aが出国者・Bが入国者。

ここまで考えたうえで中国を選ぶ。

中国は近年の経済成長により出国者超過になっているはず。これがわかれば簡単。

答 ③

それぞれの国のイメージが持てていますか?

トルコはEU加盟が話題になるような国です。イスラーム圏では珍しくアルファベットを使い、政教分離を守っている国でもあります。ヨーロッパ向けの工業製品を安く生産し輸出する国でもあり、ヨーロッパにたくさんの移民を供給する国でもあります。つまり、ヨーロッパ諸国との関係が非常に強い国です。つまり、外国からの訪問者は多いでしょう。

サウジアラビアは外国人がビジネスなどで訪れることは非常に少ない国です。日本との関係でも原油の輸入相手国で知られていますが、サウジアラビアを訪れる日本人はそのビジネス関係程度です。一方、メッカがあるため世界中のムスリムが訪れる国でもあります。

カタールはドバイという発展した都市があります。また、大規模な空港(ハブ空港)があることでも知られています。しかし、小国であり訪問する外国人はあまり多くありません。ハブ空港があるので日本からの直行便はあるはずです。

イラクはイラク戦争後の混乱からまだ抜けきっていないのが現状といえるでしょう。

答 ①

普通に考えたら、豊かな国は5歳未満児発育不良率が低いでしょう。豊かさを表す指標として地理で使いやすいのは一人あたりGNIです。ある程度はわかるようにしましょう。(大丈夫だと思いますが。)

ちなみに、糖尿病については、アラブ地域は非常に高いことで知られています。国民の15%が糖尿病。UAEは国民の20%が糖尿病だそうです。(世界最大の糖尿病治療センターはアブダビにあるそうです。)

ちなみに喫煙率については、ムスリムは一般的に高いです。しかし、女性の喫煙率は非常に低い(女性の社会参加率が低いことと関連がある)のが現状です。

念のためGNIの一覧はダウンロードできるようにしておきます。

答 ⑤

このような形式の問題は共通試験施行テストの世界史でみられました。当然、他教科・科目でも出題されることはあり得ますので、気をつけましょう。

まず(1)を考えます。正しい文章は2つあります。そのうえで(2)を考えます。

また、各交通手段の特色は必ず理解しましょう。

航空機

速い。移動に地形上の制約がない。輸送費は高い。大量輸送は困難。天候の影響が大きい。

船舶

大量輸送ができる。輸送費が安い。港から港への輸送。天候の影響が大きい。遅い。

自動車

戸口間輸送ができる(宅配便)。輸送量は小さい。CO2排出が多い。短~中距離むき。

鉄道

駅から駅までの輸送。大量輸送ができる。CO2排出が小さい。長距離輸送向き。建設に巨大資本が必要。時間が正確。

これらに関連する用語としては「モーダルシフト」「ピギーバック」「コンテナ輸送」「ハブ空港」「パークアンドライド」などがあります。確認してください。

答 ②と① または ③と⑦

この問題は麻布中の入試問題です。よく考えられていますね。もちろん、みなさんが解答したら小学生よりも「深い」回答が出てくると思います。

個人的には東京湾横断道路・東京湾口部横断道路とそれにつながる高速道路を早くつくってほしい。東京都内を通らないで東北地方と関西を行き来できるようにするのが大切なのではないかと思っています。そうすれば都内の渋滞は解決され、ひいては環境問題対策にもなります。というのは一例ですが、理論的に正しいことを答えられるようにしましょう。

センター試験で出題された都市と交通の問題の例ですが、これはとても珍しいパターンだと思います。「1969年には東海道新幹線しかなかった」というのは重要なヒントになります。

東海道新幹線は新大阪〜東京を走っています。ということは、ここについてはあまり時間が変わらないということです。この区間を使うのは水戸に行く時ですね。一方、佐賀と宮崎を比べると佐賀に行くときは新幹線を使える(山陽新幹線と九州新幹線は直通しています)けれども宮崎に行く時はつかえません。すると現在でも大阪から宮崎に行くのはとても時間がかかるということです。(っていうか、飛行機で行っちゃう気がしてしょうがないのですが、この問題は鉄道で行くという条件があるので仕方がない)

距離というものは物理的な距離のほかに時間距離というものもあります。産業の発達には時間距離というものがとても大切です。高速道路や新幹線の発達はそのような意味でとても大切です。

答 ①

国土交通省HPより

これは共通試験の問題です。特に難しくはありませんが、鉄道の「時間が正確」という特色に気が付けば簡単に解けます。もちろん、そこまで言葉で考えなくても、感覚でわかれば大丈夫です。

答 ④

国内線の就航都市数(就航本数ではない)を考えればできるのではないでしょうか。当然狭い国は国内へ飛行機で行くことは少ないでしょう。日本はこんなに狭いのに国内便がとても多いことで知られています。これは国が細長いことが一因だと考えられます。ちなみに日本国内便で利用者数が多いのは東京・札幌路線と東京・福岡路線です。

ソウルからプサン(韓国第一・二の都市)間の移動は飛行機で1時間程度、KTX(韓国の高速鉄道)で2時間半程度です。2時間半だと実際はKTXの方が早い(飛行場まで行く時間や乗り降りの時間がかかる)ので、飛行機の利用者はそれほど多くないことが考えられます。

日本では新幹線で3時間を超えると飛行機に乗る人が増えます。つまり、「鉄道は短距離~中距離の輸送に強みを持つ」ということです。東北新幹線開通時「東京~新青森が2時間58分!」というのはとても意味がある数字なんですね。

答 ②

モノ・カネの移動は当然、「距離」によって大きく影響を受けます。近いところとの行き来はさかんになるでしょうし、遠いところだと少なくなるでしょう。

そのうえで政治的・経済的な関係も考えてください。

アメリカ・イギリス・中国。経済的に関係が深いのは?距離が近いのは?そのようなことを考えればいいのではないでしょうか。また、中国は近年の急激な発展で海外への旅行者が急増しているというのもポイントですね。

当然、アメリカとイギリスは関係が深いはずです。そして、日本と近いのは中国です。

答 ④

この問題も一見大変そうですが、一つ一つ情報を整理してください。

まず「卸売り」と「小売り」の違いを考えてください。当然「卸売り」のほうが規模が大きいはずですし、その近くで生産されているもの(=工業)と関連の深いものを卸すはずです。

また、「無店舗販売」も重要なヒント。通信販売、訪問販売、自動販売機などがこれにあたります。当然卸売りに無店舗販売はありません。

卸売りでは、機械類工業と食料品工業がさかんな都道府県がわかるかです。食料品といえば北海道が有名でしょうか。また、機械工業がさかんといえば愛知県が思い浮かびます。

小売りでいうと、食料品の販売額がどのようなところで多くなるか考えてください。食料品は最寄り品ですから、人口に比例して売り上げが上がるはずです。

ちなみに、卸売りの金額が多い都道府県(都市)は三大都市圏の中心(東京・大阪・愛知)と、各地方の中心都市になります。したがって、札幌、仙台、広島、福岡などは人口規模のわりに大きくなり、横浜は東京県内に入ってしまうので人口規模のわりに小さくなります。

答 ⑥

都市の特色をとらえる問題。銀行の本支店は東京だけでなく、各地方の中核都市で多くなります。また、昼夜人口割合はよく出てくる指標です。都心(中核都市)・ベッドタウン・どちらでもない都市の3つのパターンで判断しましょう。

この問題で言うと、東京のベッドタウンは千葉。つまり昼夜人口比率が100を切るはずです。仙台と静岡はその地方では中心になるところですから、昼間に人口が多くなります。

次に、仙台は地方中核都市です。その地方の中心になっている都市で、国の機関や大企業の支店などがあります。札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡をイメージしてください。

最後に、浜松は工業都市です。楽器とオートバイの生産が有名です。山葉寅楠と河合喜三郎が初の国産のオルガンを作ったところ、また、本田総一郎がオートバイを作ったところとして有名です。つまり、2次産業の割合が高いということが言えます。

2次産業の割合は日本全体の平均は30%ほど。そのうち、工業従事者のほうが建設業従事者より多い(2:1くらい)となっています。ということは、37%は平均より高い = 工業がさかんな都市だと判断することができます。本問では比較することで判断できますが、自分の中で判断する「基準」があるといいですね。

答 ①

基本的には「近い国との貿易はさかんになる」という考え方だけで解ける問題です。

そのうえで、個々の特色をとらえましょう。

中国は「世界の工場」とよばれ、安い製品を外国に大量に輸出しています。よって、アメリカなど遠い国でも製品を輸出することができます。

また、オランダは中継ぎ貿易をしていて、中国から輸入したものをドイツなどの近隣諸国に輸出しています。

日本とアメリカは経済的(政治的にも)結びつきが深いので納得できると思います。

アメリカ・メキシコ・カナダはNAFTA(北米自由貿易協定)を結んでいました。しかし、トランプ大統領の時にNAFTAはUSMCAに改められました。内容的には自由貿易色が薄まったものですが、まずは名称を覚えてください。アメリカ(US)、メキシコ(M)、カナダ(CA)で覚えられます。いずれにしろこの三国は非常に強い経済的結びつきがあります。

また、トランプ大統領の時には中国に対して関税を高くすることを強行し、貿易摩擦が起きたことも覚えておきましょう。

答 ③

これも「近い国との貿易はさかんになる」で解けます。

貿易額はその国の経済規模に比例します。この中ではフランスとドイツが大きいはずです。つまり、サとシがフランスとドイツです。

ポルトガルは小国ですから貿易額はそれほど大きくないはずです。そのなかで隣国スペインとの貿易は大きくなりますね。スとセはスペインとポルトガル。そのうち、スペインはフランスと接していますし、ポルトガルに比べればドイツに近いはずです。つまり、スがスペイン。

あとは、ヨーロッパ諸国の位置関係を覚えていますか?ポルトガルなど意外と出題されている国です。確認しましょう。

答 ③

この問題では、中国・アメリカの特色を考えた方が簡単そうです。

中国は「世界の工場」ですから、あちこちにたくさんの輸出をしています。だからQ。

一方、アメリカは日本にとって最大の輸出相手国です。よってP。

ASEANは10か国が加盟していますので、全部合わせればそれなりの数値になります(日本から地理的にも近いですし。)また、ミャンマー、タイ、ベトナムなど日本企業が進出していて安い人件費で様々な工業製品を生産している国もあります。その点では中国と似ているといえます。

答 ④

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