パリ協定
地球温暖化とは、二酸化炭素など温室効果ガスの増加により、地球の気温が高まることです。これによって降水量の増減など気候変動がおこります。自然や生活環境に様々な影響が出るといわれています。日本では20世紀中に平均気温が約1℃上昇しています。農林水産業に対する影響もありますし、大雨や台風などの自然災害の増加という影響もあります。標高の低い土地は水没の危険があり、国土のほとんどが低地である島国などでは居住が困難になり環境難民が発生する恐れがあるとされています。
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1997年には京都議定書が結ばれ、地球温暖化対策を世界の国々が協力して行う体制が出来上がりました。しかし、アメリカが離脱したことや、中国が発展途上国に分類され、二酸化炭素排出量削減の対象にならないことなど様々な問題が指摘されていました。
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京都議定書は2020年で期限を迎えるため新しい協定作りが進められました。そのような中で2015年のCOP21(第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議)でパリ協定が採択され、2016年に発効しました。ここでは、新興国や発展途上国を含むすべての参加国が温室効果ガスの削減目標を設定することになりました。目標は産業革命以降の世界の気温上昇を2℃以内に収めること(できれば、1.5℃以内にすること)です。
しかし、アメリカのトランプ大統領は2017年にパリ協定からの離脱を表明し、2020年に正式に離脱しました。これは、アメリカのトランプ大統領が経済発展を重視していたことの表れだといえます。2021年にアメリカ大統領に就任したバイデン大統領は国際協調路線を採り、パリ協定に復帰しました。2021年4月にはアメリカ政府が主催する気候変動に関する首脳会議(気候変動サミット)が開催されました。
二酸化炭素排出量削減のための行動
気候変動サミットで日本の菅首相は、温室効果ガスの排出量について、以前決めた目標値から大きく引き上げ、2030年までに2013年度比で46%削減すると表明しました。菅首相が2020年10月に宣言した2050年までに排出量実質ゼロの目標を達成するためです。目標の実現のためには脱炭素社会を実現しなければなりません。そのために、世界のなかでは割合の高い石炭火力発電所をどうするのか、今まで以上に再生可能エネルギーを増やすことなど様々な課題があります。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書には「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と初めて断言しています。最近の気候システムの状態は「何世紀も何千年もの間前例のなかったものである」とも述べています。こうした中ですでに世界では200以上の地方議会、自治体、国家が気候非常事態宣言を出し、行動計画を立案しています。こうして社会の行動様式に変容を起こしていくことが大切です。地球システムとそこに展開する生態系が健康に存続していくには健全な海の存在が不可欠です。そこで国連は2021年から2030年を持続可能な開発のための国連海洋科学の10年として、海を知り・守り・持続的に活用するためのプログラムの支援を決めました。
現在日本政府は2030年代にガソリン車の新車販売をゼロにするという目標を検討しています。東京都知事も2030年までに都内でのガソリン車の新車販売をゼロにする方針であることを明らかにしました。
外国でも同じような動きがあり、イギリスは2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止。ノルウェーは2025年にハイブリッド車を含むガソリン車とディーゼル車の販売を禁止。フランスは2035年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止し、2040年以降は電気自動車などクリーンエネルギーを使った自動車のみ販売を認める。中国は2050年頃をめどにガソリン車の新車販売を禁止。アメリカは2035年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止するという方針を打ち出しています。
エコカーの種類
ハイブリッドカー … ガソリンエンジンと電気モーターの二つの動力で動く
電気自動車 … 電気モーターのみで動く
燃料電池自動車 … 水素を燃料に発電して電気モーターのみで動く
以上3つが今後エコカーの中心になるといわれています。ハイブリッドカーはすでに相当数売れています。ただし、ガソリンエンジンもあるので、二酸化炭素の排出はゼロになるわけではありません。電気自動車は充電をして走りますが、普及すると充電ステーションが不足する恐れがあります。燃料電池自動車は水素ステーションがまだまだ少ないという弱点があります。
そして、そもそもエコカーは値段が高くなってしまいます。環境を守るということはコストがかかるということでもあるのです。
… 1997年に結ばれた地球温暖化防止のための協定。日本はCO2排出量を6%減らすことを求められた。
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