共通試験 22−4

問1

川の流量は降水量に比例するはずである。熱帯低圧帯の場所と時期を考えればできるが、そもそも熱帯の気候はAf、Aw、Amとある。このうち、Amはモンスーンの影響が強い東南アジアに分布する。南アメリカ大陸にあるのはAfかAwということになるが、降水量が少なくなる可能性があるのは冬ということになる。Dは北半球、Eは南半球ということを考えれば、流量のグラフは選べる。

次に、総流量が多いのはどちらかということになるが、Dは赤道に近く平原が続く場所。Aw気候である。一方、Eは山岳地帯であり、流域面積は狭くなる。一部ステップ気候もあるのでこちらの方が流量は少ない。Eの同緯度上を西に行くとアタカマ砂漠がある。このことからも降水量が少ない地域であることが想像できれば良い。

類題は2015年 第4問 問1

短い移動距離といっても細かい知識を問うているわけではない。まず、Aは頻出。アタカマ砂漠。寒流のペルー海流によって作り出された砂漠である。そして、BからCへと移動するが、この途中にはアンデス山脈があるはずである。Bは山地を選ぶ。そして、Cは熱帯雨林。

問2

共通試験では必須の発電問題。

まず、水力が多いので有名な国はブラジル、ノルウェー、カナダなどが有名。

ここから、ブラジルで割合が多いKが水力だとわかる。

JとLを比べると、多くの国でJの方が多い。当然これが火力。

中米コスタリカは環境問題に熱心に取り組んでいる国で、地熱発電などを積極的に開発している。

類題は2011年 第2問 問2

古い問題なので、だいぶ状況が変わっている。

① 原子力の割合が過半を占めるといえば、フランス。アメリカはそこまでではない。

② インドは火力発電がメイン。

③ これが正解。ただし、この問題の後で原子力発電の全廃を国民の意思により決めたり、ウクライナ侵攻の影響で天然ガスを輸入できないため、旧式の火力発電所を再稼働したりしている。そのため、2022年には再び石炭火力の割合が高まり、現在3分の1を超えた。

④ ブラジルで有名なのは水力

問3

グラフを正確に読むことが前提だが、「割合」と「量」の違いをしっかりと掴むことが大切。

④ 輸出額は1971年は20億ドル強。2019年は500億ドル程度である。そのうちコーヒー豆は1971年は50%を超えており、2019年は7%程度である。つまり、輸出額は1971年は10億ドル程度、2019年は30億ドル強となる。そもそも、1971年の農産物の輸出全体で30億ドルないのだから、金額で考えるとコーヒー豆の輸出は増加している。

このタイプの問題は中学受験・高校受験でも見られる問題。引っかからないようにしてほしい。

類題は2005年 第2問 問2

この問題自体は、量でも割合でも解ける。ただし、意味は理解してほしい。

発電「量」を考えた時、水力が多い → カナダ、原子力が多い → フランス、火力が多い → インドという考え方で良い。

また、インドは発展途上国なので、一人当たりの発電量は少ない。フランスとカナダは先進国だが、カナダの方が寒いため暖房にたくさんの電力が必要なので、一人当たりの発電量は多い。

問4

まず、新興国としてブラジル、アルゼンチンは名前を聞くことがあるが、ボリビアはあまり聞いたことがない。ということはボリビアは一人当たりGNIが低い国であろう。ボリビアはク。

ブラジルとアルゼンチンではブラジルはさまざまな人種が混在しているのに対して、アルゼンチンは圧倒的に白人の割合が高い。このような中でブラジルは貧富の差が大きくなる。つまり、所得上位10%の所得割合が高くなるということ。よって、キがブラジル、カがアルゼンチン。

新興国のグループとしては、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)が有名だが、それに続いてVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)という言葉もある。

類題は2007年 第5問 問2

児童労働の割合が高い = 貧困層が多い(貧富の差が大きい社会)というイメージが持てれば良い。バングラデシュやアフガニスタンなどは児童労働の割合が高い貧困国であるというイメージを持ちましょう。同時に、日本は児童労働の割合は低い国のはず。ここでも「日本のことはわかる」である。

問5

チリにはアタカマ砂漠があることで分かる通り、ペルー海流(寒流)の影響を受ける。

ニュージーランドはCfb気候が広がる。地理の首都サンティアゴは南緯30〜40度の大陸西岸に位置しているので、Cs気候。

類題は2017年 追試 第5問 問2

まず、ニュージーランドはCfb、フィリピンはAfまたはAm。気候を確認しておく。

ニュージーランドといえば、牧畜。酪農品が輸出の上位を占める。Cfb気候で温暖であるから牧草が育ちやすい。一方、フィリピンはAfでもAmでも牧草にはあまり向いていない。どんどん草が伸びてしまう。ということは、Aが牧草地。

森林に関しては、どちらにもありそう。耕地だが、ニュージーランドに耕地は非常に少ない。そもそも平地が少ない(地図帳を確認してみてください)。

ここまで知っていれば簡単に解けるが、なんとなく・・・で解けた人も結構いるのではないでしょうか?

問6

チリは銅鉱の輸出で有名(世界一)そこから、鉱産物の輸出割合は高いということがわかる。

ニュージーランドはイギリスの植民地であったが、独立後徐々にイギリスとの結びつきが薄れていった。ここから考える。

類題は2015年 追試 第2問 問1

統計問題は確実に得点したい。

銅鉱 → チリ、ボーキサイト → オーストラリア、すず → 中国と覚えるだけでも得点できる。

もちろん、特徴的な国(ボーキサイトのジャマイカ、すずのボリビア)なども覚えておくと良いが、1位は必ず把握したい。

コメント