共通試験 21−2

問1

選択肢ア〜ウについて

ア 「生産活動の自由化が認められ」→ 以前は国有であったと言うこと。以前は社会主義国であったロシア。

イ 補助金を支払う政策 → EUの農業政策なのでフランス

ウ バイオ燃料の原料 → バイオ燃料といえばアメリカ

選択肢A〜Cについて

まず、Bがわかりやすい。耕地の割合が低いのはロシア。国土面積が広く、シベリアのような未開の地が多いので耕地面積は低くなる。

残るAとCはいろいろな考え方ができる。

小麦の生産量を知っていて、A = アメリカ、C = フランスでも良い。

また、フランスの方が集約的な農業を行なっているので1haあたりの収穫量が多いことや、国土が狭く耕地割合が高いということから解いても良い。また、ウの文章に他の穀物との競合とある。バイオ燃料は近年注目されているものだから、以前は小麦をたくさん使っていたのが競合が出てきたら生産は減ることが予想される。すると、ウの文章は生産が減少しているAであるということがわかる。

仮にウがどこの国かわからなくても、「競合」という言葉からAを選ぶことができる。

正解は⑤

問2

カとキを比べると、東南アジアにおいてキの方が円グラフが大きくなっている。東南アジアは経済的に発展してきている地域なので、漁獲量も伸びていると考えられる。したがって、カが2000年、キが2017年である。

次に、東南アジアではEが多くなっている。東南アジアの漁業というとエビの養殖が思い浮かぶ。もちろん、これに付随してマングローブ林の破壊も思い出してほしい。ここからEが養殖であることがわかる。また、アメリカ大陸を見るとFが大きい。アメリカで養殖というのはあまり聞かない。また、ペルーといえばアンチョビ(カタクチイワシ)漁が盛んである。アンチョビを養殖はしないので、Fは漁獲量だということがわかる。

正解は③

類題 2020年 大問2 問2

まず、日本の漁獲量は激減している。1977年に国連海洋法条約が成立し、200海里排他的経済水域が設定された。これによって、遠洋漁業が激減した。したがって、④が正解。

上に挙げた問題との関連で言うと、②のように世界で養殖業の割合は増加している。これは知識として知っておいて良い。

問3

条件をしっかり読むことは大切だが、結局図をよく読み取って輸送費の合計が少なくなる場所を選べば良い。

① → 原料4万円 + 製品0 = 4万円

② → 原料2万円 + 製品1万円 = 3万円

③ → 原料3万円 + 製品2万円 = 5万円

④ → 原料0 + 製品2万円 = 2万円

したがって②が輸送費が最小となる。

正解は②

問4

単純に解くだけなら、製品は酪農品であるので原料生産地は北海道であることがわかる。

J〜Lを比較すると、Jは満遍なく分布している、Kは北海道に多い、Lは関東地方に多いことがわかる。

酪農製品だから、北海道は原料生産地であり、ここに工場が多いというのは原料の輸送費がかかる製品。Lは消費地であるからここに工場が多いというのは製品の輸送費がかかる製品であることがわかる。

したがって、サ = K、シ = J、ス = Lということがわかる。

正解は③

ちなみに、それぞれの製品はサがバターである。減量は生乳だが、バターにすると固体になり、しかも大きさは小さくなる。大きさが小さくなるということは当然輸送費が少なくなるということである。

シは飲用牛乳である。当然生乳がそのまま飲用牛乳になるわけではないが、生乳も飲用牛乳も同じ液体であり、保管方法についても大差はない。したがって輸送費はそれほど変化しない。

スがアイスクリームである。クリームにだから、カサは多少小さくなるかもしれないが、問題は冷蔵が必要であるという点。牛乳よりも低い温度にしなければならず、カサも大きく減らないとなると輸送費は大きくなる。原料の方が輸送費がかからないので、市場立地となる。

類題 2016年 大問2 問2

共通試験になって、知識より思考が必要とされる傾向は強くなる。この問題は④が正解。以前扱った通り

・ ワインは葡萄を絞ってワインにする → 原料より製品の方が量が小さいので原料立地

・ ビールは麦芽に水を入れて発酵させる → 原料より製品の方が量が大きいので市場立地

という知識で解ける。どのような理屈かを理解してほしい。

問5

世界に占める生産額の割合であり、生産額そのものでない点に注意。

まず、21世紀に入って急激に伸びているツは中国。2000年台の伸びは驚異的であり、「世界の工場」の名を恣にして、GDPでも世界第2位になった。また、2010年代に入って伸びているのがASEAN。中国では人件費の高騰などが起こり、成長は以前ほどではなくなった。その分人件費が安いASEANなどが注目されている。割合を落としているのがアメリカ。生産額が急激にダウンしているわけではないが、世界に占める割合という点では減少している。

正解は③

問6

問題文を読んだ瞬間はロードサイドにSCがあるという知識で簡単に解けそうだが、解いてみると考えづらい問題。Xは考えやすい。都市の中心部に立地するのは百貨店。ターミナル駅などにはたくさんある。残るコンビニエンスストアと大型スーパーを比べると、コンビニエンスストアは主に徒歩の客が多く、都市の中心部(オフィス街)や住宅地などどこにでもあることがわかる。しかし、主要国道のロードサイドにたくさんあるかというとそれほどでもない。むしろ、ロードサイドに立地するのは大型スーパーであろう。これがショッピングセンターのことである。それを考えると、Zがミにあまり立地していないことがわかる。また、Yはミにたくさん立地している。したがって、ミがロードサイド、Yが大型スーパー、Zがコンビニエンスストアであることがわかる。

正解は⑥

小売業全体を見ると、ロードサイドの店舗数はとても少ない。現在とても注目されている郊外ロードサイド型SCだが、よく考えると我々が日常品を購入するのは身近にあるコンビニエンスストアやスーパーマーケットが多い。スーパーマーケットは駅前や住宅地に立地する。SCは週末に自動車で買い物に行ったりはするが、日常的に買い物に行く場所ではないし、一つ一つのSCが規模がある程度大きいものだとすれば店舗数はそれほど多くならない。したがって、ロードサイドは小売業全体でいえば店舗数は小さなものとなる。

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