ミャンマー情勢

その他

ミャンマーでクーデタ

 ミャンマーは東南アジアにある国です。かつてはビルマと呼ばれていました。長い間独立を保っていましたが、イギリスの植民地となり、第二次世界大戦のときには日本に支配された時期もあります。そこから独立をしたのですが、その時の中心人物がアウン=サン将軍です。こうして独立をしたビルマでしたが長い間軍政がつづき、人権侵害が続きました。

 そのようなときに民主化運動を行ったのが、アウン=サン将軍の娘であるアウン=サン=スーチー氏です。彼女は軍部から様々な弾圧を受けながら民主化運動をつづけ、ノーベル平和賞も受賞しました。そして、2011年にミャンマーは民政へと移行しました。2015年の選挙ではスーチー氏率いるNLD(国民民主連盟)が大勝し民主的な国家を目指し始めました。2020年にも選挙が行われNLDが圧勝しましたが、2021年2月1日に国軍は国家顧問のスーチー氏やNLDの幹部を拘束し、全土に非常事態宣言を出しました。国会は開催されず、国軍を中心とした軍事政権が樹立されました。

 国軍は選挙に不正があったと主張していますが、実際は民主化が進んで国軍の権力が低下することを恐れてのクーデタだと考えられています。最大都市ヤンゴンでは民主化を求める大規模な集会が起こると、国軍の弾圧によって1000人を超える死者が出てしまいました。現在では政治的な弾圧を恐れて外国に亡命する人もいる一方、ミャンマーでの人権侵害などが問題になっています。

少数民族と難民

 もう一つミャンマーで問題になっているのはロヒンギャと呼ばれる人々の難民問題です。かれらはミャンマー西部に住むイスラム系の少数民族です。ミャンマーでは仏教が広く信仰されていますが、そこでロヒンギャはバングラデシュから違法に移民してきたイスラム教徒とされて不当に差別されてきました。2017年にはロヒンギャの武装勢力がミャンマー警察を襲撃し、治安部隊と戦闘になるという事件も起こりました。ミャンマー軍は武装勢力だけでなく一般のロヒンギャも攻撃し、多くの死者が発生しました。70万人を超えるロヒンギャがミャンマーから隣国のバングラデシュに逃れています。彼らは現在難民となり、非常に苦しい立場に追い込まれています。

 現在世界では2000万人を超える難民が発生しています。難民とは政治的な理由等で自分の国にいられなくなった人を指します。難民は本来自分のいるべき国にいられなくなり他国に逃げているわけですから、国から守ってもらうことができません。彼らを救うために国連にはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)があります。ここでは1990年代に日本人の緒方貞子氏が難民高等弁務官として活躍しました。また、多くのNGO(非政府組織)も難民支援のために活動をしています。

   … ミャンマーの民主化運動をしている女性。ノーベル平和賞を受賞。

   … アウンサンスーチー氏が率いる政党。選挙では勝利。

   … ミャンマーで差別・弾圧されている少数民族

   … 国連難民高等弁務官事務所。難民に関する仕事をする国連機関。

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ミャンマー情勢

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難民に関する仕事をする国連機関とは何ですか。

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ロヒンギャが広く信仰している宗教は何ですか。

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2021年にクーデターが起き、軍政が復活した東南アジアの国とはどこですか。

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政治的な事情や紛争などによって自国にいられなくなった人を何と言いますか。

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ミャンマーで広く信仰されている宗教は何ですか。

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