エジプトのスエズ運河で2021年3月23日、日本の会社が所有し、台湾の船会社が運航していた大型コンテナ船エバーギブンが座礁し、他の船舶の通行も不能となりました。
スエズ運河を通る交通路はインド洋から紅海を通り地中海へといたる国際的にも非常に重要なルートです。もし、スエズ運河を通らないとアジアからヨーロッパに行くためにはアフリカの最南端・喜望峰を回ることになります。道のりは8000kmも多くなることになります。スエズ運河が通行不能となることで世界の物流に大きな影響がありました。
7日後の3月29日に満潮を利用して大型タグ船が作業にあたることでようやく離礁し、スエズ運河の通行が可能となりました。エジプト政府は当初9億1600万ドルの賠償を要求しました。船主側は1億5000万ドルを提示し、交渉が続きました。7月に交渉は妥結しましたが、賠償額は非公表となっています。しかし、この莫大な賠償額を見てもスエズ運河の重要性がわかります。
現代の世界は世界が結びつくグローバル化の時代です。モノ・ヒト・情報が世界中を駆け巡ることで世界が成り立っています。特に、新型コロナウイルス感染症が一段落したことや、巣ごもり需要の増加によって海運の輸送量は増加しています。現在はコンテナ自体が不足しているなどの事態も起こっています。そのような中で、交通網の遮断が世界に与える影響を考えさせられる事件でした。
近年注目されているのは北極海航路です。ここは地球温暖化の影響で通行が可能となるといわれています。例えば日本からヨーロッパに行くにはこの航路が一番近い航路となります。ただし、まだ実用されていませんし、ロシアとの関係など様々な問題が起こるといわれています。
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